HODGE'S PARROT

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Vom Kriege

カリフォルニア州議会上院、同性婚合法化法案可決

米カリフォルニア州上院議会は、ゲイ・カップルの結婚を認める法案を可決した。司法判断に依らずに同性婚を承認したケースは、全米で初めてのことである。 alfayokoさんのTrans News より http://transnews.exblog.jp/1687680/ http://transnews.exblog.jp/1…

無分別でソープオペラな「わが闘争」

それにしても、ある政治家が──つい最近まで同じ党で「仕事」をしていたのに──別の政治家を「ヒトラー」呼ばわりするのは、いかがなものか。たかが国営企業の民営化ごときの争点で。アウシュビッツの本当の犯罪が矮小化されてしまわないだろうか。それと「刺…

ディスクールとイデオロギー

もし労働者階級が、みずからの社会的・経済的条件から利害を引きださないのならば、労働者階級は、みずからが政治的あるいはイデオロギー的にさまざまに「構築され」ても、それに抵抗できないことになる。わたしが労働者階級とはこうであると、政治的な構築…

ある原理主義を別の原理主義で克服しようとする自閉的な権威的原理には、自己崩壊の道しか残されていない

こちらの方の8月22日付けの読書日記で見つけた、テッサ・モーリス-スズキ『自由を耐え忍ぶ』(辛島理人訳、岩波書店)の中の文章が気になったのでメモしておきたい(後日読むつもりだ)。 ある原理主義を別の原理主義で克服しようとする自閉的な権威的原理に…

理想国家ワイマール共和国のネガ 無原罪のファルス

八田恭昌『ヒトラーを生んだ国』(新潮選書)は、ナチズムそれ自体を扱ったものではない。ナチズムを生んだドイツという国の政治、文化的「土壌」を「問題化」している。単純化すれば、ゲーテとヒトラーは「一つのドイツから生まれるべくして生まれたのだ」…

AがBの利害に反するようなやり方でBに影響を及ぼすときAはBに権力を行使する

盛山和夫『社会科学の理論とモデル3 権力』(東京大学出版会)を読んだ。「権力」と言えば「フーコーの」というディシプリン状況において、それ以外の権力モデルを紹介する……のみならず、フーコーの権力論を批判しているのが、とても、新鮮だった。フーコー…

地方新聞の同性愛に関する記事より

栃木県の下野新聞に同性愛に関する連載記事が掲載されているのを見つけた(Anno Job Log さん経由で)。 「月たちのパズル 第二部性的マイノリティ」 http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/kurashi/kikaku/moon2/m_index.html 大会に行けば、数百人単位でゲイ…

自由はどこまで可能か Mind Your Own Business

ガリレオが地動説を唱え有罪になったとき『それでも地球は回っている』と述べた。私も郵政民営化をしなければ改革はできない。 by 小泉純一郎 どうせなら、郵便局だけではなく、裁判所も警察も、そしていっそのこと「国家の廃止=民営化(アナルコ・キャピタ…

ジョン・ロバーツ判事はプロ・ゲイなのか?

中道派のサンドラ・デイ・オコーナー米連邦最高裁判事の辞任に伴い、その後任に、ブッシュ大統領により指名された保守派のジョン・ロバーツ氏。 民主党やリベラル団体は保守派判事の指名に懸念を抱いている。しかしロバーツ氏は、かつてゲイの市民権を守るた…

愛ゆえのレイプ、愛国心ゆえのレイプ

『言葉と傷』という題名の論集に寄稿した法学者や活動家たちは、憎悪発話の規制に理論的根拠を与えようとして、「発話」の法的範囲を拡大したり、複雑化する傾向がある。これが可能になるのは、発言を思想の「表現」であり、かつ「ふるまい」の形態であると…

仮想化しきれない嘘

社会主義とは、多くの点でみせかけとごまかしだ、と私は前にいった。社会主義は、ものを約束するときには嘘をつき、ものを解読するときには誤り、そしてみずからそう名乗っているところの未来においての選択ではないし、またありえないとも言った。だが、私…

アウシュヴィッツを阻止するには、たった一つしか方策がない

先日書いたtransnewsさんの記事に対するコメントを訂正したい。改めて最新の記事を読んでみた。Pressure Mounts Over Iranian Execution Of Gay Teens [365Gay.com]ゲイの少年二人がイランで公開処刑された。Mahmoud Asgari君16歳、Ayaz Marhoni君18歳。 二…

キリスト教の弁証法

加藤尚武『哲学の使命 ヘーゲル哲学の精神と世界』(未来社)に興味深い一節があったので引用しておきたい。 キリスト教の伝統には危機を乗りこえ生き残るための一種独特の弁証法が働いているように思われる。自分に危機をもたらしたものを自分の内に繰り入…

スローターハウス2005

「日本の差別は根深く深刻だ」という記事が世界に(つまり英語で)発信された。Discrimination in Japan 'deep,' U.N. rep says after 9-day visit [Japan Today] Japan has liaisons nationwide that aim to eliminate discrimination against the "burakum…

7月14日を/に考える

フランス革命で「人権」という理念が発明された結果として、かろうじて第三世界の貧困という事実が問題になりえている。だからきみも、アフリカの子供が飢えて死んでいくのに感情移入できる。それを現実的なものとして了解できる。つまり、その餓死という事…

「悪徳リフォーム業者」と「研究者」という「業者」

▽クラウゼヴィッツとヘーゲルの戦争論って? ▼著者(=グリュックスマン)によれば、ナポレオンに体現される近代戦争の現実は、対極的な二つの思考をもたらした。第一は、「戦争という無秩序それ自体を支えている秩序を定式化」したクラウゼヴィッツの「戦争…

シャドー・オブ・タイム

id:hotsuma さん経由でトム・クルーズ vs 米国精神医学会関連の記事を読んで。(http://d.hatena.ne.jp/hotsuma/20050703#p5、http://d.hatena.ne.jp/hotsuma/20050628#p2) トム・クルーズ、精神医学をえせ科学と批判 「キミは何も分かっとらん」=トム・ク…

ゲイ・プライド≒ビッグ・ビジネス

昨日のニュースもその一つだが、6月(〜8月にかけて)は、世界中でゲイ・パレードが開催され、数多くの人々を動員している。むろんメディアの注目度も集中する。2005 Pride Listings(プライド・パレード一覧) [Advocate]このような「大規模イベント」に…

BBC問題の検証の検証 So it Goes.

外岡秀俊『岐路に立つ公共放送──揺れる「独立王国」BBC』(『論座』2005年4月)を参照したい。 この記事では、最近の英国放送協会(BBC)に関するいくつかの議論が、簡潔に示されている。その中で僕がとくに注目したいのが、「イラク戦争の大義」をめぐる…

検察側の証人/共和党側の証人

クリスティーのプロットは大半がある単一の至極単純な状況に基礎を置き、しかるのちに複雑な工夫や隠れた部分が付加されていく。『スタイルズ荘の怪事件』を例にとると、プロットの下地は、イギリス訴訟法では、ひとたび無罪になった人物を再審にかけること…

「私は告発する!」という喜び

数年来、私は、フランスにおいてユダヤ人を標的として試みられている中傷キャンペーンの動向を、驚きと嫌悪を募らせながら見守ってきた。私にとって、この様相は奇怪そのものである。奇怪というのは、あらゆる良識、あらゆる真理、あらゆる正義の外に位置す…

消費者行動に影響を与える要因

昨日の続きで、内田学 監修、伊藤直哉 著『もっと早く受けてみたかった「マーケティングの授業」』(PHP研究所)から。消費者の行動に影響を与える要因は、「社会的要因」「文化的要因」「個人的要因」「心理的要因」が挙げられる。=== 準拠集団(Referen…

消費者行動論/Comsumer Behaivor

今日はマーケティング関係の本を読んだ。内田学 監修、伊藤直哉 著『もっと早く受けてみたかった「マーケティングの授業」』(PHP研究所)。 市場ニーズに対応した製品・サービスの開発がビジネスの成功に不可欠となっている現在、消費者の行動を分析・理解…

交渉戦略の実際

たまにはビジネス書でも。 いま二つの企業が生産性を上げるために、競争をしているものとする。競争に勝つためには、研究開発を進めて新しい技術を確立していかなければならない。どちらが競争に勝つかは、各種の要因に依存する。しかし、最も大きな要因は、…

レッシグブログの同性愛についての議論

CNET にあるローレンス・レッシグのブログ(Lessig Blog)で、同性婚や同性愛差別についての話題が熱心に議論されている。次々にポストされるエントリーがどれも非常に興味深いものだ。結婚の平等を推進するには [CNET Japan]How can you promote marriage e…

PACSについて 『ヨーロッパ市民の誕生』から

私たちが一つの社会の中に生き、その社会の平等なフルメンバーと認められ、自らもそう感じていて、定められた諸権利を正当に行使でき、定められた義務を果たさなければならないとき、「シティズンシップ」が成立する。 ヨーロッパ市民の誕生―開かれたシティ…

スイスの「同性のパートナー登録法」詳細

昨日の「スイス、国民投票でゲイ・パートナーシップ・ライツ支持」のエントリーに対して、TransNews Weblogさんよりトラックバックをいただきました。ありがとうございます。「スイス国境を一つ外す」 EUへの第一歩 [suissinfo] 今回、同時に可決された同性…

ヨーロッパ各国の「同性パートナー法」実施状況

International Lesbian and Gay Association (ILGA)のヨーロッパ支部では、各国の同性パートナーシップ法(same-sex partnerships)の施行状況の一覧が掲載されている。Legal recognition of same-sex partnerships in Europe [ILGA-Europe]ここではパートナ…

Same-Sex Marriage: Pro and Con

ゲイであることをオープンにしているジャーナリストで、『Daily Dish』というブログでもお馴染みのアンドリュー・サリヴァン氏(Andrew Sullivan)の同性婚に関する著書。Same-Sex Marriage: Pro and Con: A Reader (Vintage)作者: Andrew Sullivan出版社/メ…

ゲイのジャーナリストはどうすればいいんだ?

昨日のエントリー「性的指向に言及されないことの幸せ」や「悲しきリベラルたちの背信」でも書いたことだが、いわゆる「リベラル系ブログ/ブロガー」というのは、いったい「何をもって」リベラルなんだろうか。前述したエントリーでクレイムした「暗いニュ…