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消費者行動に影響を与える要因




昨日の続きで、内田学 監修、伊藤直哉 著『もっと早く受けてみたかった「マーケティングの授業」』(PHP研究所)から。

消費者の行動に影響を与える要因は、「社会的要因」「文化的要因」「個人的要因」「心理的要因」が挙げられる。

=== 準拠集団(Reference Groupu) ===
「準拠集団」とは、個人の行動・態度に直接的・間接的に影響を与える集団のこと。
個人は、家族、友人、学校、会社など「必ず」何らかの集団に属している。そして消費行動はそれらの集団から「必ず」影響を受ける(これが「社会的要因」)。
したがってマーケターは、

準拠集団を「押さえる」には、まずその集団のオピニオンリーダーから支持を得ることが重要です。準拠集団のなかには、エキスパートと見られる人たち、つまりオピニオンリーダーがいて、他のメンバーは彼らの意見を受け入れる傾向があるからです。


p.146

●消費者は必ず複数の下位文化に属している。
「文化的要因」には、社会階級と下位文化(サブカルチャー)という要素がある。

社会階級とは、「社会の構成員を、明確なステイタス階級のヒエラルキーに分割し、各階級内は構成員が相対的に同じステイタスを持ち、一方、階級間でははっきりとしたステイタスの違いが見られるようにすること」だ(なんとなく、フーコーの主体化/臣民化を思わせる……)。
ステイタスを決める要素は、世帯年収や職業、学歴など。

社会階級は、消費者の態度・行動の形成において準拠集団として作用しますが、とくに上の社会階級が下の社会階級にとっての準拠集団になることが多いのです。


p.148

下位文化は、あらゆる文化を構成する要素で、国籍、宗教、地域、人種、年齢、性別などにセグメンターションされる。ここに性的指向を加えてもよいだろう。

例えば、米国ではアメリカンフットボールに人気がありますが、ヒスパニック層ではサッカーのほうが人気があります。ヒスパニック層をターゲットにサッカー選手を用いたプロモーションを実施するのは、下位文化に基づいたセグメンテーションです。


p.148

そして、ここで重要なのは、消費者は「必ず複数の下位文化に属している」ということだ。したがって、それらが相互にどう関連し、消費行動にどのように影響するのかを理解することが必要だ。

心理的要因」には大きくわけて、動機づけ(欲求)、知覚、学習、態度の四つがある。
「動機づけ」はエイブラハム・マズローの欲求段階(ニーズヒエラルキー)理論が有名。

  • 1)生理的欲求、2)安全欲求、3)社会的欲求、4)自我欲求、5)自己実現欲求

人間の欲求は五段階のピラミッドのようになっていて、底辺から始まって一つの段階の欲求が満たされると、一段上の欲求を志すとしています。


p.153

「知覚」は情報を選択、組織化、解釈すること。ポイントは、「自分の知覚したいことだけを選別して知覚」するということだ。そして、ここには「選択的露出」と呼ばれる「自分の期待する情報源を選び、一致しない情報は避けるというもの」と、「選択的保持」と呼ばれる「自分の信念や感情と一致し、理解できた情報のみを記憶する」という二つのプロセスが認められる。
「態度」は、対象物への好き嫌いといった内的感情表現。

これを通じて人々はある商品や企業のイメージを構築し、購買行動を決定させます。


p.157

この「態度」は非常に重要だと思う。それは僕自身が「消費者として」現に購買行動を「態度」によって決定しているからだ。すなわち、ある企業がゲイ・フレンドリーかどうかは、重要な購買決定要因に他ならない。