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消費者行動論/Comsumer Behaivor




今日はマーケティング関係の本を読んだ。内田学 監修、伊藤直哉 著『もっと早く受けてみたかった「マーケティングの授業」』(PHP研究所)。

市場ニーズに対応した製品・サービスの開発がビジネスの成功に不可欠となっている現在、消費者の行動を分析・理解・把握する必要性が高まっています。これまでは、生産志向や製品志向、販売志向といった、どちらかというと「いいものをつくれば売れる」「いいものをつくって、消費者に買ってもらう」といった、メーカー主導での製品ありきの考え方(=プロダクト・アウト)をベースにしたマーケティングが主流でした。
しかし現在では、まず顧客が求める製品を探し求めてデザイン・生産するという、「マーケット・イン」の考え方が中心になっています。「消費者行動論」がマーケティングにおいて重視されるようになってきたのは、このためです。


p.138

●消費者を理解しなければものは売れない

「いいもの(とされるもの)」が必ずしも「消費者」の「満足」に結びつかないのは何故なのか(ここでいう「製品・サービス」というものを、ビジネスの現場だけでなく、幅広く社会全体に適応させて考えたい)。

というわけで「消費者行動分析」というマーケティング理論が役に立つ。消費者はいったい何に基づいて行動しているのだろうか。

=== 消費者情報処理モデル ===
このモデルは、消費者を「自ら積極的に刺激や情報を探り出し、能動的に情報を処理する問題解決者」として捉える。
有名なものとしてはベットマンが提唱した「ベットマン・モデル」。

このモデルの特徴は、消費者が目、耳などの感覚レジスターを通じてさまざまな情報を取得し、それを外部記憶と、長期間記憶していた内部情報、つまり過去の購買経験などを、短期記憶内で統合して、その結果をもとに購買行動を起こす、とした点です。


p.140

そしてこれらの情報が「長期記憶」内に再度保存され、各個人の経験やキャリアになり、購買時に意思決定する際の判断材料となる(なんとなく、ベルクソンを読んでいるみたいだ……)。

=== ライフスタイル分析 ===
消費者を「生活者」として、全体的な視点から捉える。ライフスタイルとは──フィリップ・コトラーによると──「個人の活動、関心、意見において表現された生活のパターン」である。
ライフスタイル分析には、代表的なものとして、「VALS(Values and Lifestyles)」がある。これはエイブラハム・マズローの欲求五段階説(ニーズヒエラルキー*1と社会特性概念に基づきアメリカ人のライフスタイル類型を九つに分類した。スタンフォード研究所のアーノルド・ミッチェルが理論化。

  • 生存者型……社会的に不利な状況にあり、抑圧され絶望している。
  • 忍耐型……社会的に不利な状況にあるが、それから抜け出すべく努力している。
  • 帰属型……伝統重視の保守派で、対抗するよりも時の流れに会わせる。
  • 競争者型……野心的で上昇志向、ステイタス志向。目立つことを好む。
  • 達成者型……リーダーであり、体制のなかで活躍し、良好な生活を営む。
  • 個人主義……若く自己中心、気まぐれ。
  • 体験型……深い内面的な生活を追求し、人生の経験を重視。
  • 社会理念型……社会的責任感が強く、社会活動に積極的である。
  • 統合型……バランスのとれた、成熟した状態。


p.140-141

生活者の「消費行動」は、その人の価値観やライフスタイルに支えられている。したがって、マーケティングにおいては、それら消費者の価値観やライフスタイルの「流れ」を把握することが重要である。

*1:1)生理的欲求、2)安全欲求、3)社会的欲求、4)自我欲求、5)自己実現欲求