So-net の「U-page+」サービスが2021年1月28日に終了する。ずっと放っておいて更新どころかアクセスもぜんぜんしていなかったのだが、終了するとなるとちょっと寂しくなる──というよりもなんかもったいない気がしてきた。『HTMLダグ辞典』を見ながら、すなわちマークアップ言語というメタ言語を書きながら(このあたりはSGMLからやってる)、同時にスタイルシートで見え方を制御しつつ、ホームページの記事の内容をテキストエディターで書くという作業は「見栄えと構造を分離する」の実践であり、それを超個人的な趣味や関心事を対象にしてやっていたことは、それなりに時間は掛ったが、やはり面白かった。
なので、一部をこちらの「はてな」に転載して記録として残しておきたい。
今、こうして見てみると「お気に入りの音楽ベスト30」なのに20位までしか書いていのはどうしてなのか? と自分でも自分のことなのに疑問に思った。多分、すぐには、あれもこれもと選びきれなくて、後で追加しようと思ってそのままになってしまったのだろう。それに小説や映画のコメントも、なぜか、ない。「はてな」に書き始めたのは2004年からだった。
クラシック音楽の20~30位、および小説等のコメントは2021年の現在、当時のことを振り返りながら、「そのときはおそらく、こういう風に書いたんじゃないかな」という感じで追加しておこう。
MYBEST
お気に入りのCD
クラシック音楽/演奏ベスト30
[1~10]
ロベルト・シューマン『クライスレリアーナ』 | マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) | DG |
ロベルト・シューマン『クライスレリアーナ』 | ウラディミール・ホロヴィッツ | SONY |
ロベルト・シューマン『クライスレリアーナ』 | ツィモン・バルト(ピアノ) | EMI |
ロベルト・シューマン『ピアノ協奏曲イ短調』 | ツィメルマン(ピアノ) カラヤン/BPO |
DG |
ロベルト・シューマン『幻想曲ハ長調』 | ウラディーミル・アシュケナージ | DECCA 1965年盤 |
ロベルト・シューマン『交響的練習曲』 | ツィモン・バルト(ピアノ) | EMI |
ロベルト・シューマン『詩人の恋』 | マティアス・ゲルネ(バリトン) ウラディーミル・アシュケナージ |
DECCA |
ロベルト・シューマン『チェロ協奏曲』 |
ジャクリーン・デュ・プレ (チェロ) |
EMI |
ロベルト・シューマン『ピアノソナタ第一番』 | エフゲニー・キーシン(ピアノ) | BMG |
ロベルト・シューマン『ピアノソナタ第ニ番』 | マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) | DG |
ヴァラエティに富んだベストCDにしようと思いましたけど、やっぱりシューマンのこれらの曲/演奏は外せません。ということで1から10までオールシューマンになりました。しかも『クライスレリアーナ』は3枚です。これはつまり「あらゆる音楽の中で」、シューマンの『クライスレリアーナ』が一番好きだということです。
激情的なアルゲリッチ、無気味なフモールと破壊的なまでの打鍵のホロヴィッツ。この二つに順位はありません。そこにどうしても付け加えたいのがバルトの演奏。躁鬱の激しいアルゲリッチ、ホロヴィッツ盤に対し、バルトは幻想的、というより彼岸の静謐さで迫ります。繊細でときに神経質なまでに弱音が研ぎ澄まされますが、そこにはスクリャービンやドビュッシーにも似た色彩が煌きます。
『ピアノ協奏曲』は言わずと知れた、ウルトラセブン最終回『史上最大の侵略』で使われた曲です。何を隠そう、このテレビを見て、シューマン、ひいてはクラシック音楽を「自発的」に聴くようになりました。ツィメルマンのリリックなピアノとカラヤンのオーケストラがとても美しいです。
『幻想曲』はアシュケナージの演奏で。この曲は、やはりリリックな演奏の方が好みです。
『交響的練習曲』ポリーニも良いのですが、ここでもエチュード11に聴かれる恐ろしいまでの静謐さでバルトを選びました。遺作の挿入も個性的です。
『リーダー・クライス』にしようか迷ったのですが、歌曲では『詩人の恋』にしました。シューマンの音楽がもつ「憧れ」が曲の隅々にまで感じ取れます。
『チェロ協奏曲』はデュ・プレの情熱的な演奏で。本当に胸を熱くさせてくれます。録音がちょっと古いのが残念ですが。
『ピアノソナタ一番』はポリーニやペライアも気に入っていますが、最近聴いたキーシンの演奏にしました。テクニックの冴えと情熱、そして抒情性が過不足なく表現されています。
『ピアノソナタ二番』はアルゲリッチを超える演奏はないのでは、と思います。これに関しては、何より「曲」そのものよりも「演奏」です。これほど情熱の迸る演奏はめったにないでしょう。アルゲリッチの演奏の中でも1、2位を争うのではないかと思います。
この他にも交響曲第2番(とくに2楽章)や『幻想小曲集』、『ピアノ五重奏曲』、『ピアノ三重奏曲』、『民謡風の五つの小品』等、シューマンの音楽はどれも本当に素晴らしいものばかりです。
激情的なアルゲリッチ、無気味なフモールと破壊的なまでの打鍵のホロヴィッツ。この二つに順位はありません。そこにどうしても付け加えたいのがバルトの演奏。躁鬱の激しいアルゲリッチ、ホロヴィッツ盤に対し、バルトは幻想的、というより彼岸の静謐さで迫ります。繊細でときに神経質なまでに弱音が研ぎ澄まされますが、そこにはスクリャービンやドビュッシーにも似た色彩が煌きます。
『ピアノ協奏曲』は言わずと知れた、ウルトラセブン最終回『史上最大の侵略』で使われた曲です。何を隠そう、このテレビを見て、シューマン、ひいてはクラシック音楽を「自発的」に聴くようになりました。ツィメルマンのリリックなピアノとカラヤンのオーケストラがとても美しいです。
『幻想曲』はアシュケナージの演奏で。この曲は、やはりリリックな演奏の方が好みです。
『交響的練習曲』ポリーニも良いのですが、ここでもエチュード11に聴かれる恐ろしいまでの静謐さでバルトを選びました。遺作の挿入も個性的です。
『リーダー・クライス』にしようか迷ったのですが、歌曲では『詩人の恋』にしました。シューマンの音楽がもつ「憧れ」が曲の隅々にまで感じ取れます。
『チェロ協奏曲』はデュ・プレの情熱的な演奏で。本当に胸を熱くさせてくれます。録音がちょっと古いのが残念ですが。
『ピアノソナタ一番』はポリーニやペライアも気に入っていますが、最近聴いたキーシンの演奏にしました。テクニックの冴えと情熱、そして抒情性が過不足なく表現されています。
『ピアノソナタ二番』はアルゲリッチを超える演奏はないのでは、と思います。これに関しては、何より「曲」そのものよりも「演奏」です。これほど情熱の迸る演奏はめったにないでしょう。アルゲリッチの演奏の中でも1、2位を争うのではないかと思います。
この他にも交響曲第2番(とくに2楽章)や『幻想小曲集』、『ピアノ五重奏曲』、『ピアノ三重奏曲』、『民謡風の五つの小品』等、シューマンの音楽はどれも本当に素晴らしいものばかりです。
[11~20]
「死と乙女」 |
アマデウス弦楽四重奏団 | DG |
ブラームス 交響曲第1番 | カラヤン/BPO | DG 1987年盤 |
ブラームス ピアノ協奏曲第1番 | アラウ(ピアノ) ハイティンク/ACO |
PHILIPS |
ブラームス ピアノ協奏曲第2番 | アシュケナージ(ピアノ) ハイティンク/VPO |
DECCA |
ショパン ノクターン第13番 | サンソン・フランソワ | EMI |
フランク 交響曲ニ短調 | カラヤン/パリ管 | EMI |
フランク 前奏曲、コラールとフーガ | エフゲニー・キーシン(ピアノ) | BMG |
フランク ピアノ五重奏曲ヘ短調 | コラール(ピアノ)他 | EMI |
グリーク 弦楽四重奏曲ニ短調 | グァルネリ弦楽四重奏団 | PHILIPS |
ルクー ピアノ四重奏曲 | アンサンブル・ミュジク・オブリク | harmonia muddi |
11~20まではシューマン以外のロマン派から選んでみました。
シューベルトの『死と乙女』は本当に恐ろしい音楽です。特に2楽章。内田光子が「シューベルトの音楽には魔が住み着いている」と言ったことを思い出します。演奏はアマデウス弦楽四重奏団。アルバン・ベルク弦楽四重奏団のなんとなく諦念を感じさせる演奏も素晴らしいですが、アマデウスの演奏が持つ鬼気迫るような緊張感には背筋がゾォッとします。
ちなみにポランスキーの同名映画では、アマデウス盤が使用されました。
シューベルトでは他にも『魔王』や『水の上で歌う』などの歌曲、『さすらい人幻想曲』、『即興曲』あたりのピアノ曲もいいですね。
ブラームスも好きな作曲家の一人です。なんだかんだ言ってもドイツ音楽が好きです。そしてやはり、なんだかんだ言ってもカラヤンの演奏ですね。カラヤンを忌避することが「通」のような風潮がありますが──実際僕も学生の頃はそうで、ブーレーズのことばかり話してましたが──カラヤンこそ最高の指揮者だと思います。
優れた……と書くと語弊がありそうなので、好みの順で指揮者を並べると
カラヤン>>>ドホナーニ>アバド=ハイティンク>>>サロネン=ブーレーズ
のような感じでしょうか。
またピアノ協奏曲2番は、高村薫の『リヴィエラを撃て』を読んでからますます好きになりました。
ショパンはどれにしようか迷ったのですが、劇的なノクターン13番にしました。後半、最初のメロディが2倍の速さで情熱的に奏されるところでまったく無抵抗に陥ってしまいます。ショパンでは他にマズルカの38番(アシュケナージの演奏に限る)もすごく好きです。
フランクは猫にマタタビというか、ドラッグというか、一度ハマるともう足を洗うことができません。あのイヤらしいまでの繰り返し(循環形式)とエロティックな和声にメロメロになってしまいます。交響詩『鬼神』も好きなのですが、ちょっと理想的な演奏がないのが残念です。
グリークの弦楽四重奏曲は激情的で、心地よく、爽快に情動を揺さぶります。下手なロックなんかよりもずっと「ロックン・ロール」しています。
ルクーの音楽は泣かせますね。夭折というのも……堪えます。シューマンの音楽にも似た「憧れ」を感じますし。ぜひ一度聴いてみてください。
シューベルトの『死と乙女』は本当に恐ろしい音楽です。特に2楽章。内田光子が「シューベルトの音楽には魔が住み着いている」と言ったことを思い出します。演奏はアマデウス弦楽四重奏団。アルバン・ベルク弦楽四重奏団のなんとなく諦念を感じさせる演奏も素晴らしいですが、アマデウスの演奏が持つ鬼気迫るような緊張感には背筋がゾォッとします。
ちなみにポランスキーの同名映画では、アマデウス盤が使用されました。
シューベルトでは他にも『魔王』や『水の上で歌う』などの歌曲、『さすらい人幻想曲』、『即興曲』あたりのピアノ曲もいいですね。
ブラームスも好きな作曲家の一人です。なんだかんだ言ってもドイツ音楽が好きです。そしてやはり、なんだかんだ言ってもカラヤンの演奏ですね。カラヤンを忌避することが「通」のような風潮がありますが──実際僕も学生の頃はそうで、ブーレーズのことばかり話してましたが──カラヤンこそ最高の指揮者だと思います。
優れた……と書くと語弊がありそうなので、好みの順で指揮者を並べると
カラヤン>>>ドホナーニ>アバド=ハイティンク>>>サロネン=ブーレーズ
のような感じでしょうか。
またピアノ協奏曲2番は、高村薫の『リヴィエラを撃て』を読んでからますます好きになりました。
ショパンはどれにしようか迷ったのですが、劇的なノクターン13番にしました。後半、最初のメロディが2倍の速さで情熱的に奏されるところでまったく無抵抗に陥ってしまいます。ショパンでは他にマズルカの38番(アシュケナージの演奏に限る)もすごく好きです。
フランクは猫にマタタビというか、ドラッグというか、一度ハマるともう足を洗うことができません。あのイヤらしいまでの繰り返し(循環形式)とエロティックな和声にメロメロになってしまいます。交響詩『鬼神』も好きなのですが、ちょっと理想的な演奏がないのが残念です。
グリークの弦楽四重奏曲は激情的で、心地よく、爽快に情動を揺さぶります。下手なロックなんかよりもずっと「ロックン・ロール」しています。
ルクーの音楽は泣かせますね。夭折というのも……堪えます。シューマンの音楽にも似た「憧れ」を感じますし。ぜひ一度聴いてみてください。
お気に入りの本
海外ミステリベスト20
『まるで天使のような』 | マーガレット・ミラー |
『狙った獣』 | マーガレット・ミラー |
『鉄の門』 | マーガレット・ミラー |
『これよりさき怪物領域』 | マーガレット・ミラー |
『さむけ』 | ロス・マクドナルド |
『ウィチャリー家の女』 | ロス・マクドナルド |
『別れの顔』 | ロス・マクドナルド |
『そして誰もいなくなった』 | アガサ・クリスティ |
『ジェゼベルの死』 | クリスチアナ・ブランド |
『寒い国から帰ったスパイ』 | ジョン・ル・カレ |
『ふくろうの叫び』 | パトリシア・ハイスミス |
『11の物語』 | パトリシア・ハイスミス |
『木曜日の男』 | G・K・チェスタトーン |
『幻の女』 | ウィリアム・アイリッシュ |
『黒衣の花嫁』 | コーネル・ウールリッチ |
『喪服のランデヴー』 | コーネル・ウールリッチ |
『わが目の悪魔』 | ルース・レンデル |
『内なる殺人者』 | ジム・トンプスン |
『わらの女』 | カトリーヌ・アルレー |
『ゴールデン・ボーイ』 | マイケル・ナーヴァ |
国内ミステリベスト10
『虚無への供物』 | 中井英夫 |
『黒死館殺人事件』 | 小栗虫太郎 |
『孤島の鬼』 | 江戸川乱歩 |
『サマー・アポカリプス』 | 笠井潔 |
『姑獲鳥の夏』 | 京極夏彦 |
『魍魎の匣』 | 京極夏彦 |
『リヴィエラを撃て』 | 高村薫 |
『火車』 | 宮部みゆき |
『翼ある闇』 | 麻耶雄嵩 |
『夏と冬のソナタ』 | 麻耶雄嵩 |
純文ベスト15
『悪霊』 | ドストエフスキー |
『カラマーゾフの兄弟』 | ドストエフスキー |
『ねじの回転』 | ヘンリー・ジェイムズ |
『鳩の翼』 | ヘンリー・ジェイムズ |
『メイジーの知ったこと』 | ヘンリー・ジェイムズ |
『西欧の眼の下に』 | ジョゼフ・コンラッド |
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『城』 | カフカ |
『断食芸人』 | カフカ |
『審判』 | カフカ |
『ビリー・バッド』 | ハーマン・メルヴィル |
『善人はなかなかいない』 | フラナリー・オコナー |
『タタール人の砂漠』 | ディーノ・ブッツァーティ |
『肉桂色の店』 | ブルーノ・シュルツ |
『ブライズヘッド再び』 | イーヴリン・ウォー |
お気に入りの映画
ベスト10
『太陽がいっぱい』 |
『地獄に堕ちた勇者ども』 |
『山猫』 |
『ルードヴッヒ』 |
『戦慄の絆』 |
『ビデオドローム』 |
『ブルー・ベルベット』 |
『見知らぬ乗客』 |
『オーメン』 |
『レス・ザン・ゼロ』 |