HODGE'S PARROT

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「のだめ」で《クライスレリアーナ》 キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!



何気に──ここのところちょっと惰性気味で──『のだめカンタービレ #20』のページを捲っていた。

のだめカンタービレ(20) (KC KISS)

のだめカンタービレ(20) (KC KISS)


ぎゃぼー! ターニャがコンクールでシューマンの大傑作《クライスレリアーナ》を弾いているじゃないか!!!
クライスレリアーナ》は僕の大好きな曲だ、そしてピアノ音楽の中で最高のものだと思っている。

とりあえずマルタ・アルゲリッチ/Martha Argerich の名演を聴いてみること。

シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ

シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ

シューマンは絶えず「攻撃 attaque」するが、それは常に空隙においてである。




ロラン・バルトシューマンを愛す」(マルセル・ボーフィス『シューマンのピアノ音楽』序文より) p.11


いちおう YouTube にあった《クライスレリアーナ》の演奏から。第1曲、第7曲、第8曲──僕はオイゼビウス系の曲よりもフロレスタン系のほうが好きで、とくに両手が縺れ、音が縺れ、重低音がガツンと鳴らされる第8曲「急速に、戯れるように」にはグッとくる。

Pamela Ross as 'Carreño' plays Schumann-Kreisleriana *1

Schumann - Kreisleriana op. 16 - Nr. 7 Sehr Rasch

Schumann - Kreisleriana Op. 16 - 8. Schnell und Spielend

(《クライスレリアーナ》第8曲における)「力を込めて Mit aller Kraft」という激しく絶望的な間奏曲は、悲痛な和声のまわりをリズム連打で取り囲む。このリズムは以後、シューマンの基礎となるダイナミックな主題の上で、小節を追うごとに激しく、密になっていく。

ひどく苦しみ、怯え、反抗的で、しかもなぜか幸せそうなクライスラーの影は、闇と靄の中に消えていった……。


クライスレリアーナ』の真の新しさは、遅いテンポの主題に付せられた新しいアクセントにある。常軌を逸した楽長クライスラーが身のまわりに漂わせている、抑圧され、幻覚を引き起こす力をそこに聴き取ることができる。




マルセル・ボーフィス『シューマンのピアノ音楽』("La musique pour piano de Schumann" by Marcel Beaufils、小坂裕子/小場瀬純子 訳、音楽之友社)p.89

シューマンのピアノ音楽[ムジカ叢書] (ムジカノーヴァ叢書 (16))

シューマンのピアノ音楽[ムジカ叢書] (ムジカノーヴァ叢書 (16))


http://www.amazon.com/dp/2859400281/

ワグネリアンもマーレリアンもたくさんいるのに、シューマニアンはジル・ドゥルーズ、マルセル・ボーフィスと私ぐらいのものだ。




ロラン・バルトシューマンを愛す」 p.12



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*1:このピアニスト、ちょっとしたパフォーマンスが入っているが「最高に激しい動きをもって」というシューマンの指示には忠実だと思う。