いまだに僕はカタチあるモノとしての「ディスク」にこだわっている。なので2010年に聴いた新譜の(カタチある)音盤の中から印象に残ったモノをピックアップしておきたい──本当は、ここ数年いつも書いているが、買って聴いたときにすぐに(初めてその音楽に接した新鮮な気分のときに)メモしておきたかったのだが、昨年はブロガー休職中だったので。
Prelude/Choral Et Fugue/Les Djinns
- アーティスト: C. Franck
- 出版社/メーカー: Naive
- 発売日: 2010/04/27
- メディア: CD
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このディクスには、フランクのピアノ音楽の魅力が凝縮されている。ピアノを愛する人は、ぜひこのディスクをしっかりと手に取って聴いてほしい。
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- アーティスト: Piotr Anderszewski
- 出版社/メーカー: Virgin
- 発売日: 2010/11/22
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2010年はロベルト・シューマンの生誕200周年の年だった。旧譜の再発売も含めてシューマンの作品のディスクが数多くリリースされた。その中にあって、このピョートル・アンデルジェフスキ(Piotr Anderszewski)のシューマン録音はひときわ輝いていた。
収録曲は、
- フモレスケ
- ペダルフリューゲル(ペダルピアノ)のための練習曲
- 暁の歌
これ……ま、《フモレスケ》はそれなりに知られているが《クライスレリアーナ》や《謝肉祭》といった楽曲と比べると地味な感じ。でも、このアンデルジェフスキによる《フモレスケ》がすごくよかった。なんとなく抒情的…なんかではまったくなく、《謝肉祭》にも匹敵するような、明朗で快活、ときにヴィルトゥオジックな音響に圧倒された。しかもこの「抒情的な」音楽がもっている──抒情的な雰囲気というものの中に隠された──堅牢な構造を明快に、まるでスコアを眺め見ているかのように、聞き伝えてくれる。
《フモレスケ》で行った手順を、今度は、シューマンの「未知の」作品《ペダルピアノのための練習曲》でも披露してくれた。足鍵盤を要する対位法的な──ロマンティックというよりは、机上の理論的な、晦渋な──「練習曲」と思われていた作品を、アンデルジェフスキは自らアレンジして、このこれまでほとんど演奏されることのなかった作品に新たな光を当ててくれた。その新鮮な音楽は、まるでシューマン・イヤーに新たな傑作が発見されたかのようだ。
《フモレスケ》、《練習曲》の後に、シューマンの最晩年の作品《暁の歌》が演奏される。そのあまりに絶妙な響きに、心が揺り動かされた……。
アンデルジェフスキは、ベートーヴェンの大曲《ディアベリ変奏曲》やJ.S.バッハのクラヴィーア組曲、シマノフスキの長大で複雑で最高度のテクニックが課されるピアノソナタでも、抜群のテクニックと音楽的センスで、それぞれの楽曲がもっているユニークな構造を知らしめてくれた。このシューマンもそうだ。次はバッハの《ゴルトベルク変奏曲》を期待している。
Schumann: Complete Works for Piano & O
- アーティスト: Lev Vinocour
- 出版社/メーカー: RCA Red Se
- 発売日: 2010/05/18
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Davidsbundlertanzer Op.6 Fantasie Op.7
- アーティスト: R. Schumann
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2011/01/11
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- アーティスト: ニコラス・アルトシュテット,ジョゼ・ガラルド,ピエルネ,ブーランジェ,ダンディ
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2010/04/21
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どの曲も初めて聴いたのだが、どの曲もとても印象的だった──アルトシュテットのチェロの音色が魅力的で、とても美しく響いていた。とりわけ教師として名高いブーランジェの曲にグッときた。こういう音楽に出合うことがあるから、これからもナクソスの新譜を頻繁にチェックしておきたい。ナクソスには今後も大いに期待したい。
Szymanowski: Symphony No.3 "Song of the Night", Violin Concerto No.1
- アーティスト: Boulez,Wiener Philharmoniker,Tetzlaff
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2010/10/19
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いまいちマイナーな感じのシマノフスキだけど、僕の好きな作曲家の一人なので、メジャーな演奏家がメジャーなレーベルからディスクを出してくれたことは喜ばしい。この勢いでオペラ《ロジェ王》を、シマノフスキの「意図通り」の官能的な演出で観てみたい。
- アーティスト: V.A.,ダウランド,ナイジェル・ノース,ドロシー・リネル,ジェイコブ・ヘリグマン
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2010/09/15
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今後もこういった「ディスク」にめぐり合いたい。
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