ロベルト・シューマンの四手&二台ピアノのための作品を聴いた。演奏はデュオ・ダコール(Duo d'Accord)。ドイツ人と台湾人のデュエットだ。
シューマン:東洋の絵/アンダンテと変奏 Op. 46/ピアノ五重奏曲 Op. 44 (編曲:C. シューマン)(デュオ・ダコール)
- アーティスト: デュオ・ダコール
- 出版社/メーカー: Oehms
- 発売日: 2011/02/01
- メディア: CD
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クララ・シューマン編曲による「連弾版ピアノ五重奏曲」が世界初録音ということで、シューマニアーナにとっては貴重な音源だと言える。ただ、誰もが認めるであろうロベルトの室内楽の傑作であり、名盤に事欠かない名曲であるので、それを他人による編曲──たとえ妻であるクララにしても、だ──で聴くのは、興味深いと同時に多少の不安が生じたのも事実だ。
だが、オリジナルを尊重した違和感のないアレンジで、ホッとした(笑)。連弾ということで、高音部はより際立ち、低音部も充実した響きを聴ける。とりわけ第2楽章の、あの激情が迸る部分は(オリジナル同様)迫力がある。やはり「シューマンの音楽」だ。
《東洋の絵》(Bilder aus Osten) Op.66 とアンダンテと変奏曲 Op.46 は、ソロピアノ曲に比べて演奏・録音の機会に恵まれないが、他の作品と同様、憧れに満ちたシューマンの世界が展開する。とくにアンダンテと変奏曲は《フモレスケ》にも似たしっとりとした叙情性に耳を奪われる。この13分ほどの曲が、どれほど夢見心地にさせてくれることか。そしてエンディングのなんと美しいこと!
[Duo d'Accord - a fascinating piano duo]