僕にとって最愛の曲の一つといえる、セザール・フランクの《前奏曲、フーガと変奏曲》 Op.18 の演奏が YouTube に追加されていた。しかも、その中には、独創的なアレンジを施したものがいくつかあった。交響曲ニ短調やヴァイオリンソナタのように有名作ではなく──ま、フランク自体がそれほどメジャーな作曲家とは言い難いが──オルガンが原曲の地味な「小品」が、こういった形でネットでいろいろと聴くことができて、とても嬉しい。フランキストのミッションとして紹介しておきたい。
Cesar Franck - Prelude,Fugue & Variation Op18
なんといっても、これ──アコーディオンとピアノによる演奏。教会のオルガンによる荘厳さとは一線を画く、素朴な「吟遊」が魅力的だ。
Gyula Kiss - Cesar Franck: Prelude, Fugue&Variation vol.3
ピアノ版はわりと演奏されるのだけれども、この Gyula Kiss という人の演奏はテンポが非常に遅く(だから vol.1 と vol.2 と上記の vol.3 に分けられている)、なんだかとても思索的なものになっている。
Preludio, fuga y variación (Piano,Organ) - Cesar Frank
これはオルガンとピアノという、やはり珍しい編成。独特なのはその音色で、多分決して荘厳ではない小さなオルガンを使用していることと、ピアノもまたスタインウェイのようなモダン・ピアノとは違った柔和な響きがすることだ。
Prélude, Fugue et Variation - saxophone quartet
サックスの四重奏による演奏は、意外にも、フランクの音楽にとてもよく合う。演奏自体も素晴らしい。
それと、少し前に手に入れた、Duo Fandango(Claudia Hein & Kathrin Redlich)のアルバム『IMAGES』にも《前奏曲、フーガと変奏曲》が収録されていて、こちらは二つのギターによる演奏だった。よい雰囲気が出ていた。グッときた。
Images: Paris Musical Pictures
- アーティスト: Franck,Poulenc,Ibert,Redich,Hein
- 出版社/メーカー: Carpe Diem
- 発売日: 2005/12/27
- メディア: CD
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
それにしてもフランクの音楽って、息の長いメロディ(というかフレーズ)が、何度も何度も執拗に──執念深く──繰り返される。そこが魅力的だな。同じ曲を違った編成・演奏で聴いても「あの」メロディは、やはり頭の中で何度も循環する。
[関連エントリー]