HODGE'S PARROT

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piano

愛撫する舞踏 スタニスラフ・ネイガウスのスクリャービン

「ロシア・ピアニズム名盤選55/シューマン、ドビュッシー&スクリャービン作品集」に収録されている、スタニスラフ・ネイガウス(Stanislav Neuhaus、1927-1980)の弾くスクリャービンのピアノソナタ第5番Op.53 は、ライブならではの熱狂と陶酔が印象的だっ…

色とりどりのパピヨン ヴラダーのシューマン

仏ハルモニア・ムンディ(HMF)から、ひときわ目を惹く美しいジャケットのシューマン・アルバムがリリースされていた。裏カヴァーを見ると「It is also to enter the eccentric, vulnerable imagination of the most literary of the Romantics. Beneath the…

超絶、鋼鉄のプロコフィエフ  ロジャー・ライト

いやー、凄いものを観て・聴いてしまった。ロジャー・ライト(Roger Wright、1974年生まれ)という、アメリカのピアニストの演奏するプロコフィエフのピアノソナタ第7番変ロ長調Op.83だ。 Roger Wright performs Prokofiev (III) 難曲中の難曲を、ライブなの…

ティベルギアンのショパン&ブラームス

1998年のロン=ティボー国際コンクール*1の覇者、セドリック・ティベルギアン/Cédric Tiberghien のショパンとブラームスのバラード集を聴いた。ピアノコンクールの覇者と呼ぶに相応しい、大きな手と大きな体を持ったティベルギアンは、ロン・ティボー久々…

ティボーデのシューマン&ブラームス

ユニバーサル・クラシックスのサイトに「世界で最もエイレガンスなフランス人ピアニスト」(ママ、アクセントに忠実)なんて書かれてあるのを見ると、ロベルト・シューマンやヨハネス・ブラームスは「エレガンス」とはちょっと違うかな、と思ってスルーして…

狼の愛、ピアノの愛 エレーヌ・グリモー

エレーヌ・シクスーの作品に『狼の愛』があるのを知ったとき、まっさきに思い浮かべたのが、ピアニスト、エレーヌ・グリモーのことだ。彼女は、情熱的なまでに狼に愛を注いでいるウルフ・ガールとして知られ、事実、ニューヨークでは「オオカミ保護センター…

リヒテルの「鬼気迫る」ベートーヴェン

スヴャトスラフ・リヒテルの弾くベートーヴェンのピアノソナタをたっぷりと聴いた。1961年から1978年までのライブを収録した、Brilliant Classics の『Sviatoslav Richter In Concert』で、ロシア音源「HISTORIC RUSSIAN ARCHIVES」の5枚組BOXだ。音質は意外…

バッハ作品のピアノによるトランスクリプション

フィンランドのピアニスト、リスト・ラウリアラ(Risto Lauriala)によるJ.S.バッハ作品のピアノ用編曲集──といっても定番のフランツ・リストやフェルッチョ・ブゾーニのものはなし。シロティによる≪シャコンヌ≫など、希少価値で勝負。ナクソスによる好企画…

マキシム聴いた

クロアチア出身のピアニスト、マキシム/MAKSIM の『ヴァリエーションズ』を聴いた。ヴァリエーションズアーティスト: マキシム,イーヴァ・コーツィ,メイ・マッキーナ,トルガ・カシフ,マット・ダンクリー,エセックス,ティム・ブラン,ロイヤル・フィルハーモ…

ソフロニツキー『伝説のシューマン・リサイタル』

ウラジーミル・ソフロニツキー(Vladimir Sofronitsky)が、1959年11月18日、モスクワ音楽小ホールで行ったライブ。人呼んで、『伝説のシューマン・リサイタル』。DENON の「ロシア・ピアニズム名盤選」の一枚(2枚組)だ。ロシア・ピアニズム名盤選-20 伝説…

ラザール・ベルマン エディション

Brilliant Classics の名物とも言える「HISTORIC RUSSIAN ARCHIVES」から、7枚組の「ラザール・ベルマン エディション」を聴いた。ラザール・ベルマン名演奏集(7枚組)アーティスト: VARIOUS,ラザール・ベルマン(Pf)出版社/メーカー: Brilliant Classics発売…

Once Upon A December

ドン・ブルース&ゲイリー・ゴールドマン監督による映画『アナスタシア』(Anastasia、1997)の音楽”Once Upon A December”を、ピアノで演奏している映像があり、思わず聴き惚れてしまった*1。哀しく、あまりにも美しいメロディに、そして素晴らしい演奏に、…

”ブラウン管のアダム”のピアノ

久しぶりにマーク・コスタビの『I Did It Steinway』を聴いた。あの独特の質感を持った、のっぺらぼうの人物(群)を描いた「絵画芸術」で御馴染みのアーティストによる「音楽作品」である。I Did It Steinwayアーティスト: Mark Kostabi出版社/メーカー: Ar…

ヴェデルニコフのフランク

このような美しい音楽が存在することが神秘であり驚きだ! セザール・フランクのオルガン曲、とくに《前奏曲、フーガと変奏曲》作品18 を聴くたびに、陶然とし、恍惚とした気分になる。フランク:オルガン曲全集(2枚組)アーティスト: Franck,Guillou,フランク…

”Re-performance” 再創造されるグールドの『ゴールドベルク変奏曲』1955年盤

グールドは不可能ななにかを探求していた。それを彼は<ゴールドベルク変奏曲>に即して音楽の「非実体化」と呼んでいる。 ミシェル・シュネデール『グレン・グールド 孤独のアリア』(千葉文夫 訳、筑摩書房) p.145 1955年6月、ニューヨークのCBSスタジオ…

ヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲

エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos)のピアノ曲『苦悩のワルツ』(Valsa da Dor)を弾き、その鳴り響く重低音──最低音Aがある──を楽しんでいたら、心地良い疲れが……。 というわけで、ヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲集を聴きながら、ブラジル産コ…

ヴェデルニコフのシューマン

ここのところ、コロムビア/DENON の「ロシア・ピアニズム名盤選」を集めて、聴いている。このシリーズ、ウラジーミル・ソフロニツキー以外は初めて聴くピアニストばかりなのだが、どれも素晴らしい演奏で、その「濃厚な」ピアニズムの完全な虜になった。一…

レ・フレール『ピアノ・ブレイカー』

何気なく視聴したら、すぐに惹き込まれた! メチャクチャ楽しくてエキサイティングな音楽が聴こえてくるじゃないか。何なんだ、この4手連弾のピアノは! ブギーピアノ? 良く知らないけど、カッコイイじゃん。二人は兄弟だって? ラベック姉妹とはまた違うノ…

のだめ、シューマンを弾く

18日放映のTV版『のだめカンタービレ』第10話は面白かった! 高橋紀之のキャラが原作通り披露されていたし、何よりも音楽が充実していた。さすがフジテレビだ。何と言っても野田恵が「マラドーナ・ピアノ・コンクール」で弾く、シューマンのピアノソナタ第…

エレーヌ・グリモーのバルトーク

『N響アワー』でエレーヌ・グリモーがバルトークのピアノ協奏曲第3番を弾いていた。指揮はウラディーミル・アシュケナージ。 2楽章で上を向いて宙を見詰めながらピアノを弾くグリモーの姿が印象的だった。バルトークらしからぬ、しっとりとした美しい音楽…

シューベルト ピアノ・ソナタ第16番イ短調 D.845

ラドゥ・ルプー/Ladu Lupu の演奏でシューベルトのソナタ16番D.845&18番D.894「幻想」を聴く。Schubert: Piano Sonatasアーティスト: Schubert,Lupu出版社/メーカー: Polygram Records発売日: 1990/10/25メディア: CD購入: 1人 クリック: 32回この商品を含…

ベレゾフスキーのチャイコ&ハチャトゥリアン

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)の弾くチャイコフスキーとアラム・ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲。共演はドミトリ・リス(Dmitri Liss)指揮&ウラルフィルハーモニー管弦楽団。2006年2月録音。Piano Concerto No 1 / Piano Concertoアーティ…

最高のプロコフィエフ、ディミトリス・スグロス

YouTube でディミトリス・スグロス(Dimitris Sgouros、1969年生まれ)の快演、凄演、激演を観て聴いて、その才能を改めて確信した。何はともあれ、まず、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番の1楽章を。 http://www.youtube.com/watch?v=SNjcCRp4Qfc&mode=…

『ピアノを弾く身体』〜ヴィルトゥオーソのパフォーマンス

ピアノを弾く身体作者: 近藤秀樹,小岩信治,筒井はる香,伊東信宏,大久保賢,大地宏子,岡田暁生出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2003/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (18件) を見る 柴田南雄は、歴史的背景を踏まえつつ、…

視覚的カデンツァ 〜オレ様

YouTube で音楽を「観て」いると、CDを聴くのとは大分違った「音楽の印象」を受ける。奏者の手の動きや表情──これは演奏会での印象とはまた違う。コンサートだと、サロンコンサートでもない限り、奏者の動きはともかく、表情までは見えないし、後ろの席だ…

スクリャービン Op.8-12 異稿版

ミヒャエル・ポンティ(Michael Ponti)演奏によるスクリャービンのピアノ作品全集を手に入れた。これでソナタ全曲とあわせ、一人のピアニストによるスクリャービンのピアノ独奏曲が揃った。SCRIABIN:Complete Piano Works (non Sonatas)アーティスト: Micha…

アントニオ・ピリコーネの《イギリス組曲》

English Suites 1-6 Bmv 806-811アーティスト: Bach,Piricone出版社/メーカー: Classico発売日: 2000/04/15メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る 購入したのは、上記 Classico からのライセンスで、「Scandinavian Classics」という北欧系の廉価C…

プレトニョフの葬送ソナタ

連休は音楽に浸ろう、とCD三昧。まずはミハエル・プレトニョフのショパン。ショパン:ピアノソナタ第2番アーティスト: プレトニョフ(ミハイル),ショパン出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2004/06/23メディア: CD クリック: 2回この商品を…

ランドフスカの『半音階的幻想曲とフーガ』 魔性のバッハ

20 Famous Pianistsアーティスト: Arthur Rubinstein,Clara Haskil,Claudio Arrau,Robert Casadesus,Edwin Fischer,Walter Gieseking,Shura Cherkassky,Wanda Landowska,Alfred Cortot,Various Artists出版社/メーカー: Membran発売日: 2006/12/13メディア: …

Peter Dimitriew のプロコフィエフ

Piano Sonatasアーティスト: Sergey Prokofiev,Peter Dimitriew出版社/メーカー: Arte Nova Records発売日: 2003/04/28メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る ロシアのピアニスト、ピョートル・ドミトリエフ(Peter Dimitriew)演奏…