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ヴェデルニコフのフランク



このような美しい音楽が存在することが神秘であり驚きだ! セザール・フランクのオルガン曲、とくに《前奏曲、フーガと変奏曲》作品18 を聴くたびに、陶然とし、恍惚とした気分になる。

フランク:オルガン曲全集(2枚組)

フランク:オルガン曲全集(2枚組)



で、シューマンの演奏が良かったアナトリー・ヴェデルニコフの他のディスクを、「宝の山」とも言うべき「ロシア・ピアニズム名盤選」から探していたところ、フランクの名前を発見。これが《前奏曲、フーガと変奏曲》(Prelude, Fugue and Variation in B minor, Op.18)のピアノ独奏版で、しかもピアニスト、ヴェデルニコフ本人の編曲だった。

ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク

ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク


貴重なヴァージョン&録音。のみならず、演奏が素晴らしい。切々と語りかけるようなエレジー(挽歌)のような音楽、厳粛なるフーガ、そして絶妙な和声に支えられながら、微妙な変化を遂げながら繰り返されるあの──1度聴いたら忘れられない「あの」主題。しかしどこか官能性を帯びるのが、いかにもフランクの曲らしい。

前奏曲、フーガと変奏曲》は、このヴェデルニコフ・アルバムの最後のプログラムである。他の曲はフランツ・リストとモーリス・ラヴェルの曲で、

以上、リスト。

以上、ラヴェル


リストとラヴェルの音楽といった、まさにピアニスティックなヴィルトゥオジティと色彩感溢れる「派手な」楽曲──ドラマ、ワルツ、噴水、遊戯、目も眩むトッカータ──の後に、「敬虔な」フランクが続く。ピアノの高音が華麗に煌く音楽の最後に、フランクの恐ろしく手応えのある、まるでオルガンのような垂直の響き。もちろん録音年代はそれぞれ別なのだが、とても印象に残るアルバムに仕上がっている。



ところで解説によると、このフランクの18番<前奏曲、フーガと変奏曲>は、ハロルド・バウアー(H. Bauer)のアレンジが有名なのだそうで、Amazon で探してみたら、 Alexander Paley 演奏の『Franck Piano Transcriptions』というCDが Marco Polo レーベルから出ているのを見つけた。

Franck: Piano Transcriptions

Franck: Piano Transcriptions


試聴できる(4〜7が該当する。4番目の「Prelude」と7番目の「Variation」に「あの」メロディを聴ける)。ただ、試聴は30秒で終わってしまうので、フランクの「息の長さ」を聴くのには、ちょっと不十分だ。
ということで、「ナクソス・ミュージック・ライブラリ」の方で探してみたら、番号「8.225044」で登録されてあった。
[NAXOS MUSIC LIBRARY]


こちらの「無料体験」による試聴で、ヴァージョン/演奏とも良かったので、このディスクも手に入れようっと。

フランク党(フランキスト)の党員増加を目指して……。




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