Peter Dimitriew のプロコフィエフ

Piano Sonatas

ロシアのピアニスト、ピョートル・ドミトリエフ（Peter Dimitriew）演奏によるプロコフィエフのピアノソナタ全集。
ジャケット写真から窺える、1974年生まれのこの若手ピアニストの不敵な面構えからは、プロコフィエフの要求する技巧と筋力を楽々とクリアーしているぞ、という自信が漲っているようだ。
実際、打鍵は力強く、タッチはこの上なく明快、ピアノ特有の鋼鉄の響きを十分味わえる。とくに１番と４番がいい。有名な７番は、ポリーニの超名演と比べると、テンポが遅い。例えば第３楽章はポリーニが3分11秒なのに対し、ドミトリエフの場合は3分51秒。ちなみにアシュケナージは3分37秒、グレン・グールドが3分20秒、アレクサンドル・トラーゼが3分40秒（以上の数値はすべて解説の表記による）。
これは超えられない壁なのか。