HODGE'S PARROT

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ティベルギアンのショパン&ブラームス



1998年のロン=ティボー国際コンクール*1の覇者、セドリック・ティベルギアン/Cédric Tiberghien のショパンブラームスのバラード集を聴いた。ピアノコンクールの覇者と呼ぶに相応しい、大きな手と大きな体を持ったティベルギアンは、ロン・ティボー久々のフランス人優勝者でもあった。

ショパン:バラード 他 [Import] (BALLADES NOS 1-4)

ショパン:バラード 他 [Import] (BALLADES NOS 1-4)


まず書いておきたいのか、仏ハルモニア・ムンディ(HARMONIA MUNDI FRANCE)の洗練されたグッズとしてのCDについてだ。カヴァージャケットでは、ピアニストは紺色のシャツを着ていて、それが白い背景にとても映えているのだが、それに合わせてCD本体も白と紺が基調になっており、とても丁寧に製作しているなという感じがする。美麗な「商品」だ。

演奏も素晴らしかった。ショパンのバラードは──「バラード集」として全4曲まとまったCD聴くのは、もしかしてポリーニ盤以来かもしれない──、明快なタッチと抜群のテクニックでピアノを響かせるのだが、ロマンティックな詩情も十二分に聴かせてくれる。第3番や第4番の出だしの美しいこと。もっとも2番は、もう少し激情的でも良かったかな、と思うけど。
でも4曲まとまったバラード集としては、録音の良さも含めて、この Cedric Tiberghien 盤を第1に挙げておきたい。


ブラームスの「バラード集」Op.10は、久しぶりに「通しで」聴いた。もちろんCDはいくつか持っているのだが、どちらかという苦手な曲で、パスすることが多かった。しかしこのティベルギアンのCDでは、ショパンの2番と3番の間にブラームスのOp.10が挟まっているというプログラムなので、そのまま「流しながら」聴いていた。
よかった。やはりこのピアニストは手が大きいのか、ブラームスの重厚な響きを存分に聴かせてくれる。ティベルギアンの3番ソナタOp.5や「各種」変奏曲あたりを聴いてみたくなった。


YouTube には、Marie Devellereau というソプラノ歌手の伴奏をしている映像があった。曲は、エリック・サティの≪おまえが欲しい/Je te veux≫。教会でサティ?という映像的にも美しいパフォーマンスだ。

Marie Devellereau - Je te veux (Satie)




ティベルギアンのCDは、やはりHMFからベートーヴェンの変奏曲とバッハのパルティータという「ドイツもの」が出ていて、こちらもジャケ同様、気になる。

Piano Variations

Piano Variations

Partitas 2 3 & 4

Partitas 2 3 & 4





[Cédric Tiberghien Official website]