HODGE'S PARROT

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piano

ジョン・チェンのデュティユー

まだご存命だと思うけど、フランスの作曲家アンリ・デュティユー(Henri Dutilleux、b.1916)の「ピアノ独奏曲全集」が NAXOS から出た。快挙である。 演奏は、ジョン・チェン(John Chen)という1986年にマレーシアで生まれニュージーランドで育ったピアニ…

デイヴィッド・ギャレットのパガニーニ(シューマン編)

パガニーニ:24のカプリースアーティスト: ギャレット(デイヴィド),パガニーニ,シューマン,カニーノ(ブルーノ)出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2006/03/22メディア: CD クリック: 18回この商品を含むブログ (1件) を見る デイ…

ヘルベルト・シュッフの『クライスレリアーナ』『鏡』

OEHMS レーベルからのデビューアルバムに、ロベルト・シューマンの『クライスレリアーナ』とモーリス・ラヴェルの『鏡』を選んだ、ルーマニア出身でドイツ在住のピアニスト、ヘルベルト・シュッフ(Herbert Schuch、1979年生まれ)。シューマン:クライスレリ…

NO.1 トカレフ デビュー!

ニコライ・トカレフ(Nikolai Tokarev、1983年生まれ)。そのロシアの拳銃のような名前はこれまで何度となく耳にしたことはあったが、ガキ……というかアイドル的なイメージの売り出し方が「ピアノをナメてる」ような気がしていたので、あまり関心が持てなかっ…

マルク=アンドレ・アムランがブラームスのピアノ協奏曲第2番を弾く

超名曲。超有名曲。それをアムラン(Marc-André Hamelin)が弾く。競演はアンドリュー・リットン指揮&ダラス交響楽団。カップリングは『4つの小品』Op.119。KLAVIERKONZERT 2/KLAVIERSアーティスト: J. BRAHMS出版社/メーカー: HYPER発売日: 2012/11/12メデ…

ピエール=ローラン・エマールの『交響的練習曲』と『謝肉祭』

ピエール・ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーで、オリヴィエ・メシアンの『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』やジェルジ・リゲティの『練習曲』などを得意とするピアニスト、ピエール=ローラン・エマール(Pierre-Laurent Aima…

セルジオ・ティエンポの『展覧会の絵』『夜のガスパール』他

「アルゲリッチ&フレンド」のメンバーとしてルガーノ・フェスティヴァル2005でも活躍していた、ベネズエラ-アルゼンチンのピアニスト、セルジオ・ティエンポ(Sergio Tiempo、1972年生まれ)。ミッシャ・マイスキーと競演したラフマニノフのチェロ・ソナタ─…

アレッシオ・バックス『バロック・リフレクションズ』

最近のクラシック系アーティストのウェブサイトの充実ぶりには目を見張るものがある。イタリア人ピアニスト、アレッシオ・バックス(Alessio Bax、1977年生まれ、現アメリカ在住)のサイトは、その筆頭に挙げられるだろう。[Alessio Bax The Official Homepa…

ノーノ『苦悩に満ちながらも清朗な波』 for YouTube

YouTube にルイジ・ノーノ(Luigi Nono、1924 - 1990)の『苦悩に満ちながらも清朗な波/...sofferte onde serene... 』(1976)の映像があった。テープがあるよ、楽譜も見えるよ! 大感激だ!!! Luigi Nono ... sofferte onde serene ... (1/2) Luigi Non…

アンドレアス・ボイドによるブラームスのピアノ作品全集1

ブラームス: ピアノ作品集第1集~ピアノ・ソナタ第1番、第2番、他アーティスト: アンドレアス・ボイデ出版社/メーカー: Oehms発売日: 2011/02/01メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る 「The Complete Works for Solo Piano vol.1」と明記されている…

イリヤ・ラシュコフスキー第4位、エリザベート・コンクール ファイナル

熱い戦いが終わった。エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ部門ファイナルは、 第1位 Anna VINNITSKAYA/アンナ・ヴィニツカヤ 第2位 Plamena MANGOVA/プラメナ・マンゴーヴァ 第3位 Francesco PIEMONTESI/フランチェスコ・ピエモンテシ という結果…

リーズ・ドゥ・ラ・サールのバッハ&リスト

1988年生まれのフランスのピアニスト、リーズ・ドゥ・ラ・サール(Lise de la Salle)によるJ.S.バッハとフランツ・リストを聴いた。2004年の録音なので彼女が16歳のときのものだ。バッハ、リスト;バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903 (Lise de la…

エリザベート王妃国際音楽コンクール ファイナル第1夜

ショパン・コンクールやチャイコフスキー・コンクールと違って、エリザベート王妃国際音楽コンクールでは、一人の作曲家の作品ではなくて、いろいろな作曲家のピアノ協奏曲が最終選考として演奏されるのが楽しみの一つだ。[schedule and programme final] ht…

アファナシエフの『クライスレリアーナ』『森の情景』

ヴァレリー・アファナシエフ(Valery Afanassiev、1947年生まれ)が「エリザベート王妃国際音楽コンクール」の覇者であるということは、あの過酷で「不自由」を強いられるコンクール規定──リサイタル曲は審査員に指定される、ベルギーの作曲家の曲を強制され…

ハイドンを讃えて ティボーデのドビュッシー

クロード・ドビュッシーのピアノ曲というと、≪前奏曲集≫の『沈める寺』や『花火』をはじめ、≪映像≫の『金色の魚』、≪ピアノのために≫、≪喜びの島≫といった独創的なアイデアとピアニスティックな技巧が結びついた曲が聴き応えがあって好きだけど、ちょっとし…

エリザベート王妃国際音楽コンクール セミ・ファイナル

ピアノ音楽ファンは、多分、時間がある限り、時間の許す限りベルギーのサイトにネットをつなげていることだろう。 そう、現在ブリュッセルは、エリザベート王妃国際音楽コンクール(Queen Elisabeth Music Competition)ピアノ部門コンペティションの真っ只…

エリザベート・コンクールの覇者たち

エリザベート王妃国際音楽コンクールのエントリーに関連して、このコンクール出身者(上位入賞者含む)の錚々たる顔ぶれをざっと紹介しておこう。ウィキペディアの「エリザベート王妃国際音楽コンクール」を参考にした。まずは1938年。「エリザベート」の前…

マルティン・シュタットフェルト『BACH PUR』

『2声のインヴェンション』BWV.772-786から聴き始めた。全15曲を18分14秒で弾ききるマルティン・シュタットフェルトの演奏を聴き終わった途端、「バイバイ、グレン・グールド1」と確信した。こんなにもスリリングなJ.S.バッハのプレイを聴いた後では、もは…

アンデルジェフスキーの弾き振りモーツァルト

モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番&第20番アーティスト: アンデルジェフスキー(ピョートル),モーツァルト,アンデルシェフスキ(ピョートル),スコットランド室内管弦楽団出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2006/03/08メディア: CD クリック: 2…

ジョナサン・ビスのシューマン・リサイタル

Piano Recital: Fantasie Kreisleriana Arabeskeアーティスト: Robert Schumann,Jonathan Biss出版社/メーカー: EMI Classics発売日: 2006/10/16メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る ライナーノーツ(英語)は、フリードリヒ・シュ…

トルプチェスキの「葬送」ソナタ&スケルツォ

マケドニアのスコピエ(Skopje)出身の Simon Trpčeski は、シモン・トルプチェスキなのか、それともサイモン・トルプチェスキと表記するのがいいのか、わからないけれど、2000年のロンドン国際ピアノコンクールで2位、現在は英EMI専属なので、とりあえずサ…

愛撫する舞踏 スタニスラフ・ネイガウスのスクリャービン

「ロシア・ピアニズム名盤選55/シューマン、ドビュッシー&スクリャービン作品集」に収録されている、スタニスラフ・ネイガウス(Stanislav Neuhaus、1927-1980)の弾くスクリャービンのピアノソナタ第5番Op.53 は、ライブならではの熱狂と陶酔が印象的だっ…

色とりどりのパピヨン ヴラダーのシューマン

仏ハルモニア・ムンディ(HMF)から、ひときわ目を惹く美しいジャケットのシューマン・アルバムがリリースされていた。裏カヴァーを見ると「It is also to enter the eccentric, vulnerable imagination of the most literary of the Romantics. Beneath the…

超絶、鋼鉄のプロコフィエフ  ロジャー・ライト

いやー、凄いものを観て・聴いてしまった。ロジャー・ライト(Roger Wright、1974年生まれ)という、アメリカのピアニストの演奏するプロコフィエフのピアノソナタ第7番変ロ長調Op.83だ。 Roger Wright performs Prokofiev (III) 難曲中の難曲を、ライブなの…

ティベルギアンのショパン&ブラームス

1998年のロン=ティボー国際コンクール*1の覇者、セドリック・ティベルギアン/Cédric Tiberghien のショパンとブラームスのバラード集を聴いた。ピアノコンクールの覇者と呼ぶに相応しい、大きな手と大きな体を持ったティベルギアンは、ロン・ティボー久々…

ティボーデのシューマン&ブラームス

ユニバーサル・クラシックスのサイトに「世界で最もエイレガンスなフランス人ピアニスト」(ママ、アクセントに忠実)なんて書かれてあるのを見ると、ロベルト・シューマンやヨハネス・ブラームスは「エレガンス」とはちょっと違うかな、と思ってスルーして…

狼の愛、ピアノの愛 エレーヌ・グリモー

エレーヌ・シクスーの作品に『狼の愛』があるのを知ったとき、まっさきに思い浮かべたのが、ピアニスト、エレーヌ・グリモーのことだ。彼女は、情熱的なまでに狼に愛を注いでいるウルフ・ガールとして知られ、事実、ニューヨークでは「オオカミ保護センター…

リヒテルの「鬼気迫る」ベートーヴェン

スヴャトスラフ・リヒテルの弾くベートーヴェンのピアノソナタをたっぷりと聴いた。1961年から1978年までのライブを収録した、Brilliant Classics の『Sviatoslav Richter In Concert』で、ロシア音源「HISTORIC RUSSIAN ARCHIVES」の5枚組BOXだ。音質は意外…

バッハ作品のピアノによるトランスクリプション

フィンランドのピアニスト、リスト・ラウリアラ(Risto Lauriala)によるJ.S.バッハ作品のピアノ用編曲集──といっても定番のフランツ・リストやフェルッチョ・ブゾーニのものはなし。シロティによる≪シャコンヌ≫など、希少価値で勝負。ナクソスによる好企画…

マキシム聴いた

クロアチア出身のピアニスト、マキシム/MAKSIM の『ヴァリエーションズ』を聴いた。ヴァリエーションズアーティスト: マキシム,イーヴァ・コーツィ,メイ・マッキーナ,トルガ・カシフ,マット・ダンクリー,エセックス,ティム・ブラン,ロイヤル・フィルハーモ…