「アルゲリッチ&フレンド」のメンバーとしてルガーノ・フェスティヴァル2005でも活躍していた、ベネズエラ-アルゼンチンのピアニスト、セルジオ・ティエンポ(Sergio Tiempo、1972年生まれ)。
ミッシャ・マイスキーと競演したラフマニノフのチェロ・ソナタ──ラフマニノフ作曲なので当然ながらピアノが大活躍する──は、情熱的な演奏でとてもよかった。
Live From the Lugano Festivals 2005
- アーティスト: Martha Argerich
- 出版社/メーカー: EMI Classics
- 発売日: 2006/05/17
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そのティエンポのソロ・アルバムを聴いてみた。「Martha Argerich presents」の一枚だ。
- アーティスト: Fryderyk Franciszek Chopin,Maurice Ravel,Modest Petrovich Mussorgsky,Sergio Tiempo
- 出版社/メーカー: EMI Import
- 発売日: 2006/01/23
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収録曲は、
アルゲリッチと同じ南米出身だから、というわけではないが、しかしやはり「熱い」演奏だった。『展覧会の絵』の、「ビドロ」のテンポの遅さと揺れにはちょっと違和感があったが、全体的に劇的というかアグレッシブな演奏で、とくに「バーバ・ヤーガ」から「キエフの大門」への盛り上がりは一聴に値する。重低音がバキバキなのも嬉しい。
『夜のガスパール』も技巧が冴え渡る。しかも熱い。ここのところ「クールな技巧派」ピアニストの演奏ばかり聴いていたので、ティエンポのような「ホットな技巧派」ピアニストの演奏を聴くと、こちらまで熱くなってくる──そろそろクーラーを使用しようかな、と思った(笑)。
洗練さと甘美さが身上のショパンのノクターンでさえも同様だ。よく歌い、したがってルバートがかなりあるのだが、野暮な感じはしない。響きをよくコントロールしているからだろう。
ウェブサイトも見やすいデザインで洗練されている。情報も多い。僕が訪れたときには、ショパンの『前奏曲集』とラフマニノフのピアノ協奏曲第3番が流れたが、これが……やはり「熱い」演奏で、聴かせる。