HODGE'S PARROT

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マルク=アンドレ・アムランがブラームスのピアノ協奏曲第2番を弾く



超名曲。超有名曲。それをアムラン(Marc-André Hamelin)が弾く。競演はアンドリュー・リットン指揮&ダラス交響楽団カップリングは『4つの小品』Op.119。

KLAVIERKONZERT 2/KLAVIERS

KLAVIERKONZERT 2/KLAVIERS


冒頭の深みのあるホルンを聴くと、あーこれってブラームスだなぁ、ドイツだなぁ……と思う。そしてピアノが入り、フル・オーケストラが鳴り響く。もちろん思い浮かべるのは、鬱蒼とした森林地帯(シュヴァルツヴァルト/Schwarzwald)ではなく、重厚でありながら機能性抜群のメルセデス・ベンツBMWアウトバーンをかっ飛ばすドイツの風景……。

とにかく格好いいブラームスだ。フランス系カナダ人ピアニスト、ニューヨーク生まれの指揮者&アメリカのオケはブラームスをこのように演奏する。アムランの抜群のテクニックによって、込み入った和音の連続も明快に聴こえる。トリルも、分厚いオケの中に埋もれず、明瞭に硬質に響く。どんな難所やデコボコ道でもスムーズ。その清々しいまでのスピード感。リットンの指揮も、シンフォニックというか、ブラームスという作曲家のオーケストラレーションの卓越さを、とてもよく表現している。
ブラームスのピアノ協奏曲というと、最近は──とくに若手によるリリースがあまりないが、こういう曲こそ若手ピアニストの高性能テクによる覇気ある演奏が聴きたいところ。このコンビによる1番もぜひ聴きたい。
ブラームス最後のピアノ曲作品119 も、明るく、元気で、爽快だ。