HODGE'S PARROT

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book

レヴィとポールのラヴ

『DNA』や『Men Machine』といったゲイ・マガジンにも「気安く」登場してくれるファッション・モデルのレヴィ・ポウルター/Levi Poulter と、やはりハンサムな人気モデル、ポール・フランシス/Paul Francis の二人が愛し合っている写真が、David Vance に…

"Radical Quick" - Happy Gay New Year!

What immortal hand or eye, Dare frame thy fearfull symmetry? via: PARISIANBOYS 213c. アスペクトという概念は、想像という概念と、血縁関係にある。或いは、「私は今それを……として見ている」という概念は、「私は今それを想像している」という概念と、…

メンデルスゾーン《エリア》

2009年はフェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn、1809 - 1847)の生誕200周年にあたる。ということで、普段なかなか聴きとおせないメンデルスゾーンの大作、《エリア/Elias》Op.70 を聴いた。旧約聖書の『列王記』に登場するユダヤ人の預言者…

ダニー・シプリアーニ、カヴァー・ボーイ

ラグビーは詳しくないのだが……ロンドン・ワスプス/イングランドのダニー・シプリアーニ(Danny Cipriani、b.1987)選手が、メンズ・ファッション誌『Arena』のカヴァーを飾ったということで、あちこちのゲイ・ブログで話題になっている。 via:OHLALA MAG 他…

無限転向のラディカリズム

ジャン=ポール・サルトルの戯曲『汚れた手』(Les Mains Sales、1948)のことを思い出した。ストーリーは…… 架空の国イリリア。ブルジョア階級に属するインテリで「純粋な」青年ユゴーは、生き甲斐を見出すために革命政党『労働党』に入党、そこでエドレル…

牧神の午後への前奏曲

クロード・ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》をバレエ化した映像が YouTube にあった。かの有名なヴァーツラフ・ニジンスキー(Vaslav Nijinsky、1890 - 1950)の振り付けによる『牧神の午後』(L'après-midi d'un faune)を再現したもののようだ。 L'…

ロベスピエールの慈悲

スラヴォイ・ジジェクの『ロベスピエール/毛沢東 革命とテロル』より、マクシミリアン・ロベスピエールについて書かれた文章”ロベスピエール──恐怖という「神的暴力」”を読んだ。ロベスピエール/毛沢東―革命とテロル (河出文庫)作者: スラヴォイジジェク,Sla…

「死ね、さらばイエスは生き給う」

富岡幸一郎 著『使徒的人間 カール・バルト』に、カール・バルトに強い影響を与えたルーテル派の神学者クリストフ・ブルームハルト(Christoph Blumhardt 、1842 - 1919)のことが触れられていた。そこで述べられているブルームハルトの言葉がとても強く印象…

カイヤ・サーリアホの《シモーヌの受難》

フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho、b.1952)のオラトリオ《シモーヌの受難》(La Passion de Simone、2006)が、今年2008年の8月にアメリカで初演された。《La Passion de Simone》は、フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユ(Simone W…

男性性器の解剖学

解剖学関連の本って何か持っていたかなと書棚を覗いたら、レンブラントの《ニコラース・テュルプ博士の解剖学講義》(The Anatomy Lesson of Dr.Nicolaes Tulp、マウリッツハイス美術館)を詳説しているオランダの画家を特集した画集と、フランク・ゴンザレ…

可塑性と柔軟性

フランスの哲学者カトリーヌ・マラブー/Catherine Malabou の『わたしたちの脳をどうするか』に興味深い指摘が載っている。「可塑性」(プラスティシテ)という彼女の提唱する概念についてである。わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバ…

ラ・スペコラ美術館

マーガレットさんより、ジジェクの『快楽の転移』(The Metastases of Enjoyment)の表紙はラ・スペコラ博物館(Museo di storia naturale sezione di zoologia La Specola)にある蝋細工解剖学模型だと教えていただいた。ありがとうございます。実は前から…

「フランス人よ、共和主義者たらんとせばいま一息だ!」

風邪は治ったのだけど、今日はなんだか天候が悪かったので、やはり部屋に閉じ込もって、スラヴォイ・ジジェクでも読もうと本棚から取り出してみた。 で、『快楽の転移』の中で「宮廷恋愛」について論じられている部分を読んだ。この寛容な時代、オフィスの薄…

当事者の「第二のトラウマ」

スラヴォイ・ジジェク『幻想の感染』より引用しておきたい。 クロード・ランズマンの映画『ショア』は、ホロコーストのトラウマを、再現を超えたものだということをにおわせる(それはその痕跡、生き残った証人、遺跡を通じてのみ識別される)。 ところが、…

天使──証言の遂行者

使徒的人間―カール・バルト作者: 富岡幸一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る富岡幸一郎 著『使徒的人間 カール・バルト』は、プロテスタント神学者カール・バルトの「思想」につい…

『ヨハネ受難曲』を聴いて

『ヨハネ受難曲』もグットくる演奏があった──最近投稿されたようだ。 J. S. Bach - Johannes Passion (1) で、この演奏会を収録した動画を見終わった後、何気に related にあった別の『ヨハネ受難曲』の映像を見たら……そこで使用されていた映像はメル・ギブ…

不幸な弟子意識

風邪をひいてしまったので、部屋に閉じ込もってデリダでも読もうかなと思う──なんでも、デリダを読むだけで、良いことがありそうなので、本棚からデリダ関連の本を取り出してみた。 で、古いのから新しいものへ。というわけで、まず、『エクリチュールと差異…

デリダは何と言っているのか

『生きることを学ぶ、終に』で、ノエル・マメール市長による同性婚容認を「ためらわずに署名によって支持した」デリダが、同書でホロコースト否定論について何といっているか記しておきたい。 ジャン・ビルンバウム──この観点から(大学の無条件的自由に対す…

カブトムシと宗教的体験

言語ゲームとしての宗教作者: 星川啓慈出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 1997/11/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 先日の続きで、星川啓慈 著『言語ゲームとしての宗教』を少し読み進めた(なかなか一気に読めないなあ…

「俺とあいつは見える色が違っている」といえるのか?

ウィトゲンシュタインの「私的言語」批判を批判的に考察している、永井均の『なぜ意識は実在しないのか』(岩波書店)に、非常に興味深い「質疑応答」があったので引用しておきたい──最初この部分を読んだときに、なんだか「さむけ」が走ったのを覚えている…

論理実証主義とキリスト教

星川啓慈 著『言語ゲームとしての宗教』を読んでいる。この本は、ウィトゲンシュタインの「私的言語」と「言語ゲーム」という哲学的知見によって、宗教──ただしそのモデルは一貫してキリスト教だ──を見つめなおす、という試みである。以前読んだ、音楽をめぐ…

「キリスト教神学は科学的か?」

オックスフォード大学神学部歴史神学教授およびウィクリフ・ホール*1の学長を務める、アリスター・E.マクグラス/Alister McGrath の講義録『ポスト・モダン世界のキリスト教―21世紀における福音の役割』に、カール・バルトとハインリッヒ・ショルツ/Heinri…

内村鑑三所感集

内村鑑三(1861 - 1930)が、主筆誌『聖書之研究』で毎号その巻頭に記した短文の中から、約千篇を選んで収録した『内村鑑三所感集』(鈴木俊郎 編)が岩波文庫から出ている。「所感」という短文ながら、それは当時の日本におけるキリスト者の思想の凝結体(…

「非-宗教」から「超-宗教」へ 『靖国問題』より

高橋哲哉の『靖国問題』から第三章「宗教の問題──神社非宗教の陥穽」についてメモしておきたい。とくにキリスト教との関係で。宗教の問題が浮上してくるのは、首相の靖国参拝に対して、憲法の政教分離規定に基づいた「違憲」の確定判決が複数存在しているこ…

分割線なき選民 〜 パウロの身振り

バラク・オバマ次期米大統領の演説を読んで、その中に「ゲイもストレートも」というフレーズがあるにもかかわらず、個人的にどうもしっくりこない。それには僕がオバマよりもジョン・エドワーズやヒラリー・クリントンを支持だったってこともあるし、同日に…

正統の戦慄に満ちたロマンス

G.K.チェスタトンの『正統とは何か』の序文「本書以外のあらゆる物のための弁明」で、チェスタトンは、「ロマンス」についてこう述べている──「未知なるものと既知なるものと、その両方を同時に必要とするという要求である」と。 この「両方を同時に必要とす…

「プロポジション8」通過の悲しみと希望

Blog iChatGay.com - California Protesters after Gay Marriage Ban via kwout 先週は──というより昨日まで仕事が忙しかったので、バラク・オバマが大統領に選出されたことと、カリフォルニア州で同性婚禁止条項「プロポジション8」(Proposition 8)が通…

『陰謀の世界史』を読んで

先日、書店でジョン・コールマン/John Coleman の『新版 300人委員会』が平済みされているのを見て、「陰謀史観」(Conspiracy theory、コンスピラシー・セオリー)が流行っているのか──また流行りだしたのか……と思い、海野弘の『陰謀の世界史』を読んで整…

トム・フォード、クリストファー・イシャウッドの小説を映画化

トム・フォード/Tom Ford が映画監督としてデビューする──「グッチやイヴ・サンローランのクリエイティヴ・ディレクターを務めた」という肩書に今度は「映画のディレクター」も加わることになる。しかも、クリストファー・イシャウッド(Christopher Isherw…

「弦楽四重奏」を読んで聴く

書店で見かけ「あ、これはいい」とシルヴェット・ミリヨ著『弦楽四重奏』を買ってきた。弦楽四重奏 (文庫クセジュ)作者: シルヴェット・ミリヨ,山本省出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/10/13メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブロ…