HODGE'S PARROT

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music

チョン・ミュンフン/メシアン《神の現存のための3つの小典礼》

メシアン・イヤーの本命ともいうべき一枚がきた、きた、きた! チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団によるオーケストラ作品集だ。Chung Conducts Messiaenアーティスト: Valérie Hartmann-Claverie,Olivier Messiaen,Myung-Whun…

「青春のクライマックス」〜 ウォルトンの交響曲第1番

Geheimagent さんのオススメにより、早速、ウィリアム・ウォルトン(William Walton、1902 -1983)の交響曲を聴いてみました。ウラディーミル・アシュケナージ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で(オリジナル盤を持ってました)。Symphonies & …

ダニエル・ミュラー=ショットのショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲

KONZERTE FUER VIOLONCEアーティスト: D. SCHOSTAKOWITSCH出版社/メーカー: ORFEO発売日: 2008/05/10メディア: CD購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る 音楽系のエントリーを書くにあたって、個人的に一番書きやすいのは(とりあえず…

He wore blue velvet

すっかりサソリの毒にやられて……身体が熱くなり、毒を抜くために「動き」まわらなければならない状態──いや、それはタランチュラ/タランテラだ! とにかく血潮──血液が滞留して「バビロンの街路を歩きまわって、その泥沼のうちに、あたかも肉桂や貴重な香油…

ベロフ/メシアン《世の終わりのための四重奏曲》

ミシェル・ベロフ(Michel Béroff、b.1950)の弾くオリヴィエ・メシアンの曲はやはりいいな、と《世の終わりのための四重奏曲》(Quatuor pour la Fin du Temps、1941)を聴いた。エーリッヒ・グルーエンベルク/Erich Gruenberg(ヴァイオリン)、ジェルヴ…

エマールの『メシアンへのオマージュ』を聴いて

Hommage a Messiaenアーティスト: Pierre-Laurent Aimard出版社/メーカー: Deutsche Grammophon発売日: 2008/10/14メディア: CD クリック: 7回この商品を含むブログ (4件) を見るピエール=ロラン・エマール/Pierre-Laurent Aimard によるオリヴィエ・メシア…

「ラチュウミア聴こっ!」を読もっ!

フランスのピアニストで現代音楽を得意としているウィレム・ラチュウミア/Wilhem Latchoumia について書いたエントリーに、NOBOBON さんという方がコメントをしてくださった──NOBOBON さん、ありがとうございます。Piano & Electronic Soundsアーティスト:L…

暁の使者

注文していたケネス・アンガーのDVD『Films of Kenneth Anger』*1が届いたので、早速観た。 「あの眼もくらむ灼熱感、それは、いまかれを全身的におそっている」と、大江健三郎の『われらの時代』の一節を引用したくなる──そんな印象を、この映像作品集から…

双魚宮時代の最後の喘ぎ 『スコピオ・ライジング』の音楽

やはりアヴァンギャルドだな……ケネス・アンガーのトリビュート映像を観てそう思った。 Expresion en corto hace homenaje a Kenneth Anger 実は前回のエントリーでは『花火』だけではなく『スコピオ・ライジング』についても書こうを思ってタイトルに「Hallo…

J.S.バッハ 《リュート=ハープシコードのための音楽集》

Music for Lute-Harpsichordアーティスト: J.S. Bach,Farr出版社/メーカー: Naxos発売日: 2008/07/29メディア: CD購入: 3人 クリック: 30回この商品を含むブログ (2件) を見るこんな音の世界もあったんだ。エリザベス・ファー/Elizabeth Farr によるヨハン…

「シューマンを聴きながら」2

再び、フェルナン・クノップフ(Fernand Khnopff、1858-1921)の絵画『シューマンを聴きながら』を見つめながら、シューマンの音楽を聴きたくなった。 En écoutant du Schumann/listening to Schumann *1 音楽的人間は鳥の中で脱領土化する。そのとき鳥それ…

ギヨーム・ルクーへのオマージュ

ベルギーの作曲家ギヨーム・ルクーのことを知ってますか? 彼の未完の《ピアノ四重奏曲》を聴いたことがありますか? もし、あなたが今日、辛い目にあったならば、そしてそのために何かしら心に傷を負っているのならば、ルクーの音楽を聴いてみてください──…

アーサー・ラッセルの肖像

Wild Combination: A Portrait of Arthur Russell Trailer 実はアーサー・ラッセル(Arthur Russell、1952 - 1992)という人のことは初めて知った。Queerty のエントリーで──だから彼がゲイだというのは察しがついたが──「チェロ」という単語が目に入らなか…

シューマンのヴァイオリン・ソナタ全3曲

アルバン・バイキルヒャー(Alban Beikircher、b.1967)による、ロベルト・シューマンのヴァイオリン・ソナタを聴いた。ピアノはベネディクト・ケーレン(Benedikt Koehlen)。Schumann: Violin Sonatasアーティスト: Alban Beikircher出版社/メーカー: Arte…

ゲンリヒ・ネイガウスの『クライスレリアーナ』とサマセット・モームの『サミング・アップ』

DENON の「ロシア・ピアニズム名盤選-14」*1は、ゲンリヒ・ネイガウス(Heinrich Neuhaus/Genrich Gustawowitsch Neigaus、1888 - 1964)によるロベルト・シューマンの『クライスレリアーナ』とフランツ・リストのピアノ協奏曲第2番が収録されている。素晴…

須藤千晴@渋谷

タワーレコード渋谷店に行ったら、ちょうど須藤千晴のミニコンサートが開かれていた。曲は、彼女のソロ・アルバム『Preludes』に収録されている、ショパンとスクリャービンの《24のプレリュード》から。プレリュードアーティスト: 須藤千晴出版社/メーカー: …

新しい愛と音の世界へ 〜 マティアス・ピンチャー

サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による冥王星付き《惑星》に付録されていた《オシリスに向かって》(towards Osiris)が、そのアルバムの中でもとりわけ印象的だった、ドイツの作曲家&指揮者マティアス・ピンチャー(Matthias Pint…

ハープとコンピューターによる『B級映画』

ハープが印象的な曲というと、モーリス・ラヴェルの《序奏とアレグロ》やクロード・ドビュッシーの《フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ》の優雅な……ではなくて、なんといってもアンドレ・カプレの《赤き死の仮面》(Le Masque de la mort rouge)──…

オペラ《アメリカの悲劇》

ウォルト・ホイットマンの詩を用いたジョン・アダムズ作曲の《包帯を巻くのがわたしのつとめ(包帯係)》は、感動的な音楽で、ここのところ何度となく繰り返し聴いている。 そして、そのCDで素晴らしい歌唱を聴かせてくれているバリトンのネイサン・ガン(…

キンモ・ハコラの「緑の光線」

涼しげなジャケットに惹かれた──多分、冷ややかな肌触りの現代音楽じゃないかな、と。それに北欧フィンランドのレーベル、オンディーヌ(Ondine、水の精)であるわけだし……。というわけで、キンモ・ハコラ(Kimmo Hakola、b.1958)というフィンランドの作曲…

《包帯を巻くのがわたしのつとめ》 ジョン・アダムズ

John Adams: Shaker Loopsアーティスト:John Adams,Nathan Gunn発売日: 2004/10/19メディア: CD オペラ《中国のニクソン》*1や《クリングホファーの死》*2で有名な──同時に、物議をかもしている──アメリカの作曲家ジョン・アダムズ(John Adams、b.1947)。…

”えすぺれ・ぱんた・ぺろーん” サッポーの歌

ドイツの作曲家ハンス=ユルゲン・フォン・ボーゼ(Hans-Jürgen von Bose、b.1953)の『サッフォーの歌』(Sappho-Gesänge、Songs of Sappho、1983年)を聴いた。Bose:the Night from Bleiアーティスト:Bose発売日: 1993/04/01メディア: CD 『サッフォーの歌…

ジェラール・グリゼーの《変調》

クルターク/バートウィッスル/グリゼ:作品集アーティスト: ブーレーズ(ピエール),チェンゲリ(アドリアン),ジョン・オールディス合唱団,クルターグ,バードウィスル,グリゼ,ブレーズ(ピエール),アンサンブル・アンテルコンタンポラン,ファビアン(マルタ)出版社…

スピーク&スペル

デペッシュ・モード/Depeche Mode のレア映像を見つけて狂喜乱舞している。例えば、 Depeche Mode - Puppets - late 1981 - RARE! Depeche Mode - Just Can't Get Enough 2曲続けて観ると、あからさまに「いい雰囲気」を持っているバンドだな、と思う。あか…

コリン・マシューズの《ブロークン・シンメトリー》

Matthews: Broken Symmetryアーティスト:Matthews,Knussen,London Sinfonietts発売日: 1996/05/14メディア: CD 海王星までしかなかったホルストの組曲《惑星》に、「冥王星、再生する者」(Pluto, the renewer)を補完して話題になった*1、イギリスの作曲家…

ヘリコプター弦楽四重奏曲のドキュメンタリー

あ・の・名・高・い、カールハインツ・シュトックハウゼン作曲《ヘリコプター弦楽四重奏曲》(Helikopter-Streichquartett、1993)の「上演」に到るまでの様子をドキュメンタリー・タッチで追ったDVDを買ってきて、ドキドキしながら視聴しているところ。Karl…

シュトックハウゼンの《ツィクルス》

カールハインツ・シュトックハウゼンのツィクルス/Zyklus (1959) の演奏を YouTube にアップしている猛者がいた。 nick tolle plays stockhausen zyklus nick tolle plays zyklus part 2 見ごたえのある映像だ。こういった音楽では、奏者の動作も聴取のため…

ウィレム・ラチュウミアの「ピアノと電子音響」

Piano & Electronic Soundsアーティスト:Latchoumia, Wilhelm発売日: 2008/05/19メディア: CD まずルックスに惹かれたのが正直なところ。Sisyphe レーベル? 手に取って見ると、ルイジ・ノーノの《…苦悩に満ちながらも清朗な波…》が収録されている。ノーノを…

だれがこの厄介な「春の祭典」を書いたのか〜ヘンリー・カウエル

アメリカにおける「新音楽」(new music)のグル的存在で、ジョン・ケージやルー・ハリソンの師であったヘンリー・カウエル(Henry Cowell、1897 - 1965)のディスクがナクソクから出ている。Continuum Portrait 1発売日: 2005/02/22メディア: CDContinuum P…

だれがこの素晴らしい「リズミコン」を発明したのか

前エントリーで書いたヘンリー・カウエルとレフ・テルミンが発明・製作した、世界初のドラム・マシーン/リズム・マシーンこと「リズミコン」(Rhythmicon)を紹介している「教育的な」映像が、 YouTube にあった。現代音楽およびエレクトロニック音楽に関心…