- アーティスト: Pierre-Laurent Aimard
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2008/10/14
- メディア: CD
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ピエール=ロラン・エマール/Pierre-Laurent Aimard によるオリヴィエ・メシアン作品集『Hommage a Messiaen』を、じっくりと聴くことができた。収録曲は以下。
《8つの前奏曲》(1928-29)
- 鳩
- 悲しい風景の中の恍惚の歌
- 軽やかな数
- 過ぎ去った瞬間
- 夢の中の触れ得ない音
- 苦悶の鐘と別れの涙
- 静かな嘆き
- 風に映える陰
《鳥のカタログ》より (1956-58)
- ヨーロッパウグイス
- モリヒバリ
《4つのリズムのエチュード》より
- 火の島 I (1949)
- 火の島 II (1950)
なぜ、音楽史上最も高名なピアノ作品の一つである「音価と強度のモード」が省かれたのかな、と思いつつも、エマールの奏でるメシアンの音楽を堪能した。聴こえてくるのは、シューマンの《交響的練習曲》や《謝肉祭》と同じく、透明で美しく響くピアノの音である──そこには攻撃的な「アタック」は聴こえない、なだらかにプログラムは進んでいく。非常に明晰である。迷いがない。そこには「個人的な」感情の表出とは無縁の「普遍的な」美がある。
ちなみに、各々印象的なタイトルを持つ《前奏曲集》──作曲者はシュルレアリスムの詩人ポール・エリュアール/Paul Éluard の詩に惹かれていた──は、これまでミシェル・ベロフの若い頃の演奏をよく聴いていた。エマールと比べるとベロフは、緩急の差が激しく、強弱も広く、タッチ(アタック)も強烈であった──さらにもっと若い頃の録音である《幼子イエスに注ぐ20のまなざし》を聴くと、それがより顕著だ。
例えばブックレットにある《前奏曲集》の演奏時間を参照すると、第3曲と第7曲以外はベロフの方が速い。とくに第1曲、2曲、そして最後の8曲にかなり差があるので、聴こえてくる音楽の印象も、それなりに違ってくる。
エマール | ベロフ | |
1 | 2.20 | 1.36 |
2 | 6.47 | 5.33 |
3 | 1.37 | 1.37 |
4 | 4.27 | 4.19 |
5 | 3.55 | 3.31 |
6 | 9.22 | 9.00 |
7 | 2.58 | 3.25 |
8 | 5.02 | 4.36 |
エマールの演奏を聴くと、ベロフは多少荒っぽく聴こえるが、それでも僕はベロフの演奏が好きだったりする。ベロフによるシューマンの《クライスレリアーナ》での「アタック」や《幻想曲ハ長調》の「ドラマ」も気に入っているし。
Vingt Regards sur l'Enfant Jesus, Preludes
- アーティスト: Messiaen,Beroff
- 出版社/メーカー: EMI Classics
- 発売日: 2005/08/30
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- アーティスト: R. Schumann
- 出版社/メーカー: EMI Classics France
- 発売日: 2007/08/21
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