メシアン・イヤーの本命ともいうべき一枚がきた、きた、きた! チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団によるオーケストラ作品集だ。
- アーティスト: Valérie Hartmann-Claverie,Olivier Messiaen,Myung-Whun Chung,Nouvel Orchestre Philharmonique de Radio France,Roger Muraro,Catherine Cournot,Maîtrise de Radio France
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: CD
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収録作品は以下
- 神の現存のための3つの小典礼/Trois petites liturgies de la Presence Divine (1943-44)
- 第1楽章:内なる対話のアンティフォナ(神は私たちの中に現存する……)
- 第2楽章:御言葉のセクエンツィア、神のカンティクム(神は自らの中に現存する……)
- 第3楽章:愛による偏在のプサルモディア(神は万物の中に現存する……)
- 天上の都の色彩/Couleurs de la cite celeste (1963)
- 聖体秘蹟への賛歌/Hymne au Saint Sacrement (1932)
《天上の都の色彩》は、そのタイトルのとおり、「あらゆる宝石で飾られていた」都エルサレム(ヨハネの黙示録より)を「見ること」ができる音楽──カトリーヌ・クール/Catherine Cournot のピアノが光り輝いて見える。《聖体秘蹟への賛歌》は初めて聴いたのだが、まるでワーグナーのような濃厚なロマンティシズムに彩られている。こういうメシアンもいい。
しかしなんといっても《神の現存のための3つの小典礼》──《トゥランガリーラ交響曲》と並んで最初に聴いたときに強い衝撃を受けたオリヴィエ・メシアンの作品だ。煌びやかなピアノ(ロジェ・ムラロ/Roger Muraro)に、ヒュンヒュンとまるで火の玉のようにオンド・マルトノ(ヴァレリー・アルトマン=クラヴェリー/Valerie Hartmann-Claverie)がうねり、独特の発声で女声合唱が歌う。この音の絵巻──メシアンの音楽世界。とくに第3楽章《プサルモディア》の盛り上がり方は尋常じゃない。いったい何事が起こっているんだ? と思うくらい、その音響はあまりに強烈だ──身体は為す術もなく全身受容体に成り果ててしまう。
そういう凄い音楽なのだ。だから聴けよ。
西欧の宗教は、少年小説と同様、手に汗握る危険に満ちている。それはいつでも永遠の危機に直面している。実際、西欧の通俗小説と西欧の宗教との間には、決してかりそめのものではない相似が存在するのだ。
- 作者: G.K.チェスタトン,Gilbert Keith Chesterton,安西徹雄
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1995/11
- メディア: 単行本
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