ベルギーの作曲家ギヨーム・ルクーのことを知ってますか? 彼の未完の《ピアノ四重奏曲》を聴いたことがありますか? もし、あなたが今日、辛い目にあったならば、そしてそのために何かしら心に傷を負っているのならば、ルクーの音楽を聴いてみてください──その音楽を聴きながら思い浮かべてください……ルクーは24歳の若さで亡くなったのだと……。
そんな、もう最近では、ほとんど見かけなくなった「ポエミーな」ウェブ日記みたいなことを書いてみたくなる。そんな気分にさせてくれるのだ、ルクーの音楽は。ギヨーム・ルクー(Guillaume Lekeu、1870 - 1894)の音楽は、あまりにも切なく、聴く者の感受性を深く揺さぶる。そして優しく、慰めてくれる。
Guillaume Lekeu: Piano Trio & Piano Quartet
- アーティスト: Guillaume Lekeu,Spiller Trio,Silvia Natiello-Spiller,Antonio Spiller,Wen-Sinn Yang,Oscar Lysy
- 出版社/メーカー: Arts Music
- 発売日: 2000/01/11
- メディア: CD
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演奏は The SPILLER TRIO &Oscar Lysy(ビオラ)。《ピアノ三重奏曲ハ短調》と《ピアノ四重奏曲》がカップリングされている。
《三重奏曲》は四楽章からなる堂々たる作品で、師であったセザール・フランクを思わす絶妙な和声に支えられながら(フランク譲りの堂々たるフーガも聴かれる)、苦悩のドラマが繰り広げられる。非常に聴き応えがある作品だ。
そして何よりも《ピアノ四重奏曲》だ。この曲はシューマンの同編成作品に匹敵する「唯一」の作品だと言いたい──掛け替えのない、奇蹟のような「未完成」だ。第一楽章の情熱には胸が締め付けられ、第二楽章の憧憬には目頭が熱くなる。その音楽は、あまりにも切なく、優しく、夢と憧れに満ちている。愛おしい音楽だ。
YouTube にはベルギー楽派というか、セザール・フランク、ギヨーム・ルクー、エルネスト・ショーソンらへのオマージュとして《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》がアップされている。演奏者自身によるオリジナル作品であるようだ。メロディがとても美しく、ところどころに「らしさ」が表れている──最高のオマージュになっている。この素晴らしい音楽に出会えて嬉しかった。
sonate violon/piano
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