シャルル・グノー(Charles Gounod、1818 - 1893)と言えば、オペラ『ファウスト』や『ロメオとジュリエット』がその代表作で、また、J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》の「前奏曲 第1番 ハ長調」にメロディを付した《アヴェ・マリア》がとりわけ大人気曲になっている。
でも、《アヴェ・マリア》と同じくらい、あるいはそれ以上に「あ、あの曲」として知れ渡っているのは、ピアノ曲《操り人形の葬送行進曲》(Funeral March of a Marionette、1872)だろう。その有名なわりには録音があまりないグノーの「オリジナルのピアノ曲」の演奏が YouTube にあった。
Arthur Abadi, 13, Gounod - Funeral March of a Marionette
実は僕もこの「オリジナルの」グノーのピアノ曲《マリオネットの葬送行進曲》を初めて聴いた。フランス音楽らしく、葬送行進曲というわりには、どことなくユーモラス……いや、エスプリに富んでいる*1。CDと楽譜を探したくなった。
で、このグノーのエスプリなピアノ曲を、さらに(多分)英国風のユーモアでアレンジしたのが、アルフレッド・ヒッチコックによるTVシリーズ『ヒッチコック劇場』のテーマ曲であった。
Theme Song to Alfred Hitchcock Presents
色彩感溢れるアレンジだな。この音楽を聴いたら、TVドラマのみならず、ロアルド・ダールやヘンリー・スレッサー、ジョン・コリアといった「異色作家」の短編も読みたくなってきた──マーガレット・ミラーの『狙った獣』も、たしか『鏡の中の他人』というネタバレタイトル(笑)でドラマ化されていたな。
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*1:グノーの音楽へのオマージュとして、こんなアニメーション作品があった。→ http://www.youtube.com/watch?v=qKi01rPexBI