まるで最後はゲイ・ビデオかと思わせる『Physical』(フィジカル)も壮絶に悶絶必須PVであるが(狙ってないか、これ)、オリビア・ニュートン=ジョンの駄目PVとしては、『Twist Of Fate』を挙げておきたい。
映画『Two Of A Kind』(邦題『セカンド・チャンス』)の主題歌で、デイヴィッド・フォスター/David Foster がプロデュース、実にカッコイイ「ディスコ・サウンド」が聴ける。彼女の透明感のあるソプラノも魅力的だ。
Olivia Newton-John-Twist Of Fate
PV では、映画で共演したジョン・トラボルタとのラブ・ロマンスを「証拠」仕立てにした裁判という設定。ハーレクインしてる?
人間は根本的に孤独で、個々が結局、自身の身体のマスターベーションのような享楽に制約されており(「性的関係なるものはない」は、快楽が基本的に個人的で孤立していることを意味する)、他者と何かで関係し、やりとりをしているという見せかけを、その場で演じ、装っている。その即興的で多様な方法が手に入るのだ。
スラヴォイ・ジジェク『信じるということ』(松浦俊輔 訳、産業図書) p.25
ただ……Wikipedia の『Two of a Kind (1983 film)』を見ると、「彼ら」のロマンスは……
Golden Raspberry Awards
Nominated: Worst Picture
Nominated: Worst Actor (John Travolta)
Nominated: Worst Actress (Olivia Newton-John)
Nominated: Worst Director (John Herzfeld)
Nominated: Worst Screenplay (John Herzfeld)
凄い駄目っぷり。ワースト映画を筆頭に、ワースト男優、ワースト女優、ワースト監督、ワースト脚本というダメダメダメダメダメという感じだ。
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それと音楽とは直接関係ないけど、オリヴィア・ニュートン=ジョンに関してちょっと気になる記述があった。
Olivia's father, Brin Newton-John, from Wales, was an MI5 officer attached to the Enigma machine project at Bletchley Park, and the officer who took Rudolf Hess into custody when he parachuted into Scotland in May 1941. After World War II, he became a professor of German at the UNSW annex at Tighes Hill in Newcastle, Australia.
彼女の父親は MI5 のオフィサーだった。しかもブレッチレイ・パーク(政府暗号学校)で「エニグマ」プロジェクトに携わっていた。となると、アラン・チューリングと面識があったに違いない。
キャスリン・ヘイルズが、チューリング・テストが決定的に関与してくるのは、その基本的配置、すなわち安定した身体存在の喪失、実際に行使される身体と表象される身体との、分離を受け入れた瞬間だと強調しているのは正しい。画面の向こうの「現実の」血と肉のある身体と、コンピュータ画面での点滅する、記号による再現との間に、どうしようもないずれが入り込む。このような分離は、「人間性」そのものと表裏一体である。
Let's get physical, physical
I wanna get physical
Let's get into physical
Let me hear your body talk, your body talk
Let me hear your body talk
Olivia Newton-john - Physical
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