HODGE'S PARROT

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デュパルク《旅への誘い》



旅への誘い(デュパルク:歌曲集)

旅への誘い(デュパルク:歌曲集)


フランスの詩人、ポール=アルマン・シルヴェストル(Paul-Armand Silvestre)の詩に音楽をつけた作曲家として、エルネスト・ショーソン以外にガブリエル・フォーレとアンリ・デュパルクが思いつく。とくにデュパルクは、セザール・フランクに作曲を師事した「フランキスト」の一人で──フランクの《交響曲ニ短調》はデュパルクに捧げられている──その音楽からは、やはり何ともいえない詩的で官能的な世界が広がり、グッとくる。セザール・フランクとフランキストたちの音楽は、まさに「プシュケとエロス」(フランクが作曲した交響詩の一つ)なんだよ、と断言したくなる。
CDは、ジェラール・スゼー(バリトン)とダントン・ボードウィン(ピアノ)のもの。《旅への誘い》(ボードレール詩)、《恍惚》(ラオール詩)、《ため息》(プリュドム詩)、そして《遺言》(シルヴェストル詩)といったタイトルからして、その雰囲気が伝わってくる。
とくに《旅への誘い L'Invitation au voyage》は、「神秘の魅力をもっている」……
Gérard Souzay, baryton Dalton Baldwin piano, H. Duparc


……すなわち「豪奢としじま、そして、逸楽」を。