HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

パールマン、ボレット、ジュリアードSQのショーソンとフランク



ショーソン:コンセール/フランク:ピアノ五重奏曲

ショーソン:コンセール/フランク:ピアノ五重奏曲

こんな名演が国内初CD化&初発売だったのか……と「怒り」すら覚えてしまった(笑)。それくらい、このディスクは、エルネスト・ショーソンの《ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏曲のためのコンセール ニ長調》とセザール・フランクの《ピアノ五重奏曲 ヘ短調》の、さほど多くはない録音のなかでも、とびきりの一枚だと思う。
イツァーク・パールマンホルヘ・ボレット、それにジュリアード弦楽四重奏団という意外な共演が、ショーソンの音楽の持つ詩的で繊細な響きを十分に堪能させてくれる。第2楽章の《シシリエンヌ》の情緒は何度聴いても感興を誘われるし、第3楽章でのボレットの、弱音で音をバラすところ(アルペジオ)も、やけに耳に残る。パールマンのヴァイオリンは文句なしに美しい。
フランクの《ピアノ五重奏曲》も素晴らしい。ボレットとジュリアードSQは、フランクの「意味深な」──エロティックともいえる──部分を巧みに演出し、ドラマを大いに盛り上げる。
ボレットは、Decca にフランツ・リストの曲を多く録音したが、以前はそのテンポの遅さが個人的にダメだった。でもこのショーソンとフランクを聴いて、ボレットの演奏をまた聴いてみたくなった──いまなら、また違った感想を持つかもしれない。とりあえず、ボレットの弾くフランクの《前奏曲、コラールとフーガ》《前奏曲、アリアと終曲》《交響的変奏曲》を収録したディスクをラックから見つけて、聴いてみよっと。

Franck: Prelude/Choral & Fugue

Franck: Prelude/Choral & Fugue




[関連エントリー]