パイプオルガンでショパンの《革命》を弾いてくれた驚異のオルガニスト、キャメロン・カーペンター/Cameron Carpenter 氏。その気合の入ったパフォーマンスに目が釘付けになり、圧倒され、すっかりファンになってしまったわけだが、やはり……フランツ・リストの超絶技巧作品も演奏していた。曲はあの《メフィスト・ワルツ》だ。
CAMERON CARPENTER(Org) Mephisto Waltz No.1 Pt.1/2
→ CAMERON CARPENTER(Org) Mephisto Waltz No.1 Pt.2/2
オルガンはまるでシンセサイザーのようだ。天の都市もかくあろう極彩色を放ち、重低音も悪魔的なまでに凄味を帯びる。当然、あのグリッサンドも見せつけてくれる。素晴らしい!
さらに彼は F・W・ムルナウ/F. W. Murnau のホラー映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』(Nosferatu、1922年)の音楽までも演奏している──といっても映画は観たことないしサントラ*1も聴いたことがないのでクレジットを信用した。
Cameron Carpenter Thrills & Chills
Cameron Carpenter Thrills & Chills part two
『吸血鬼ノスフェラトゥ』(きゅうけつきノスフェラトゥ、原題:Nosferatu, eine Symphonie des Grauens)はF・W・ムルナウにより1922年に作成されたドイツ表現主義映画。ドラキュラを扱ったホラー映画の元祖として知られる。
1978年にはヴェルナー・ヘルツォークの脚本・監督によるリメイク版『ノスフェラトゥ』(原題:Nosferatu: Phantom der Nacht)が制作されている。
Cameron Carpenter は、映像の冒頭で「クラウス・キンスキー/Klaus Kinski へのオマージュ」と記しているので、どちらかと言えばヘルツォーク版(Nosferatu: Phantom der Nacht)を念頭に措いているのだろう──それにしても曲調がオリヴィエ・メシアンと近しい雰囲気を醸し出していて最高だ。
とはいえ、しかし、演奏場所はやはりニューヨークのトリニティ教会なんだよな……そうか、どうやらハロウィーンにおける演奏のようだ。さすがの選曲だと思う。青白い光線も効果的だし。映画も観てみたくなった。
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ところで、この凄腕のオルガニスト Cameron Carpenter 氏のCDは出ていないのかと捜してみたら、ムソルグスキーの『展覧会の絵』をメインにしたものがあった(DVD付き)。期待を裏切らないポップなジャケットが楽しい。
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[追記]
mk さんがフランスのプログレッシブ・ロック、アート・ゾイド/Art Zoyd による『ノスフェラトゥ』の音楽を紹介しています。
*1:マニュエル・ゲッチング/Manuel Göttsching による『コンサート・フォー・ムルナウ』というCDが出ている。
またアメリカの作曲家 Alva Henderson によるオペラもあるようだ。