HODGE'S PARROT

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カプソン兄弟&ブラレイによるシューベルトのピアノ・トリオ



ルノー・カプソンRenaud Capuçon)、ゴーティエ・カプソンGautier Capuçon)の兄弟(les Freres Capuçon)に、ピアニストのフランク・ブラレイ(Frank Braley)が加わったトリオによる、シューベルトピアノ三重奏曲のCDがリリースされた。

シューベルト:トリオ集

シューベルト:トリオ集


ゴーティエ・カプソン(1981年生まれ)は僕の好きなチェリストで、しかもシューベルトという、これまたお気に入りの作曲家の音楽。なので批評やレビュー(どっちも同じか)など、するつもりはない。スコッチの入ったグラスを傾け、この音楽に耳を傾けているだけで、至福の時を過ごせる。
特に第2番変ホ長調 D.929。第1楽章の優美な長調からフッと短調へ移ったときの切ない感じ、第2楽章のチェロが朗々と歌うエレジーのようなアンダンテ、気楽なスケルツォ、ドラマティックなフィナーレ。ピアノ、ヴァイオリン、チェロの親密な語り。僕はこのシューベルトの音楽を愛してやまない。併録の≪ノットゥルノ≫変ホ長調 D.897 も、ひたすら美しい。

また、CDのカヴァーも、なんとなくシューベルトの音楽にあっているような、レトロな雰囲気が出ていてよい感じだと思う。同じメンバーでの前作──ラヴェル作品のときは、「セッション」風のジャケットが印象的だった。

Piano Trio & Sonatas

Piano Trio & Sonatas


それとピアノのフランク・ブラレイがなかなか良かった。ブラレイは、「エリザベート王妃国際音楽コンクール」の1991年の覇者でもちろん聴かせるのだが、何よりもその風貌が……フランツ・リストフランク・ザッパかという感じで。

Beethoven:Piano Sonatas

Beethoven:Piano Sonatas


[Queen Elisabeth International Music Competition of Belgium]



YouTube には、カピュソン兄弟のものとして、マルタ・アルゲリッチと共演した音楽祭のニュース映像があった。
Martha Argerich et les Freres Capuçon



しかし、このアルゲリッチの圧倒的な存在感はどうだろう。煙草を吹かしながらのインタビューは、いっそ清々しい。