シェイラ「バン・バン」

フレンチ・ポップ……と言っていいのかどうかわからないけど、シェイラ／Sheilaの『Juste Comme Ca: The Best of Sheila』というアルバムを聴く。

Juste Comme Ca: The Best of

お目当ては、「Bang Bang」というシェールのカヴァー曲。というのも、この「Bang Bang」、僕の好きなフランソワ・オゾン監督（François Ozon）の短編映画『サマードレス ／ Une robe d'été』（1996年）で大々的にフューチャーされたからだ。

一度観たら忘れられない印象的なシーン──バカンスにきたゲイ・カップルの一人セバスチャン・シャルル（Sébastien Charles）が、このベタなラブソング？「Bang Bang」の音楽に合わせて、思わせぶりに、思い入れてたっぷりに、「色気」を振りまきながら、軽やかに踊る、という堪えられないシーンで使われる。「爆笑」と「親近感」が綯い交ぜになった、オゾンならではのセンチメンタル・コメディだ。
ちなみにセバスチャンは、『8人の女たち』では、「振付師」としてクレジットされている人物。ルックス、肉体、そして仕種（笑）とも「色気」がある男だ。

僕はさまざまな欲望を撮るのが好きだから、僕の映画ではラヴシーンやセックスの場面がとても重要なんだけど、そうした場面を撮るためには軽やかな雰囲気が必要だね。

フランソワ・オゾン監督インタビューより

フランソワ・オゾン DVD-BOX