HODGE'S PARROT

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レオニダス・カヴァコス&ピョートル・アンデルジェフスキ




Overture / Concerto / Fantasia / Symphony

Overture / Concerto / Fantasia / Symphony


昨日(2006年1月22日)NHK芸術劇場」でやっていたサイモン・ラトル指揮&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ブダペスト公演は良かったなー。とくにレオニダス・カヴァコスのソロによるバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番。あの微分音(半音をさらに細かく分解した音程)交じりの難曲を「観ること」ができて。
以前、同じく「芸術劇場」で放映されたコルンゴルドの協奏曲でもそうであったが、直立不動で、表情一つ変えず、冷徹に弓を捌くカヴァコス氏の姿は、とても印象的だった。「バルトークの2番」に相応しい冴え冴えしさだ。


レオニダス・カヴァコス(Leonidas Kavakos)は1967年ギリシャアテネ生まれ。詳細は以下のサイトが詳しい。経歴からレパートリー、ディスコグラフィー、レビューまで一目瞭然。さすがマネジメント会社のサイトだなと思う。


そしてレオニダス・カヴァコスと言えば、なんといってもBIS レーベルに録音したシベリウスのヴァイオリン協奏曲を挙げたい。というのもカヴァコスはこのCDで、「初稿」版(1903/1904年)と「現行」版(1905年)、二つのヴァージョンをカップリングしているからだ。とくに世界初録音となった「初稿」版のヴァイオリン・パートの「充実さ」は、最初聴いたとき、驚きだった。シベリウスファン必聴のCDだ。

「現行」版と比べると、「初稿」版ではバッハ風の長大な第二カデンツァがあり、これがとても聴き応えのある「充実」したものなのだ。この第二カデンツァは、「現行」版では、バッサリと削除されている。他にも「メンデルスゾーン流の間奏」といったものがあり、そういえば「初稿」版では、ところどころにメンデルスゾーン風なパッセージが現れたりする。

まあ、「現行」版の方がたしかに「スマート」だが、「初稿」版も捨て難い魅力がある。

Tempest

Tempest



「芸術劇場」後半は、ピョートル・アンデルジェフスキのピアノ・リサイタル。曲目はバッハの「イギリス組曲第6番」。
もちろん──最近ではシマノフスキのCDのリリースが話題になった──アンデルジェフスキなので、バッハでも独特の演奏効果/演奏美学を発揮する。かなりピアニスティックな演奏で、とくに「ガヴォット」の高音のキラメキは、これがバッハか! と思うくらい素晴らしいものだった。


[Piotr Anderszewski Official Website]


Sonata No 3 Metopes Masques

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Beethoven: Diabelli Variations

Beethoven: Diabelli Variations