HODGE'S PARROT

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徴兵制と ”don’t ask, don’t tell”

もしアメリカで徴兵制が復活することになったら、現在”don’t ask, don’t tell”ポリシーで軍隊から排除されているゲイ&レズビアンはどうなるのか、ということについて国防総省のスポークスマンらが Advacate に応えている……ということは、アフガニスタンイラク戦争によって「徴兵制」が現実味を帯びているということか。

Gays could face the draft [Advocate]

ひとつには、同性愛者、異性愛者を問わず、”don’t ask, don’t tell”によって、これを理由に大量の「徴兵逃れ」が発生するという「問題」がある。以前書いたが、徴兵制があり「同様のポリシー」があるイタリアでは、「自分はゲイである」と医者から(偽の)証明書を発行して「徴兵逃れ」を行う異性愛男性が後を絶たないため、政府はセクシュアリティを偽ることに罰則規定を設けたほどだ。

平等をめざすアメリカ退役軍人会長( American Veterans for Equal Rights)は、”don’t ask, don’t tell”の「再考」は必然であり、すべての徴兵対象年齢の男女は兵役に就くことになると述べている。
一方、Center for the Study of Sexual Minorities のディレクターは、徴兵制と”don’t ask, don’t tell”別のものであるとしている。

そして国防総省のスポークスマンは、”don’t ask, don’t tell”は軍隊内のポリシー/規律の一種であって、徴兵の「基準」とは異なるものだとしている。

また、「徴兵制に反対する市民団体(People Against the Draft)」のメンバーは、こういった議論が起きていること自体が、徴兵制が現実のものとなってきているのだと危惧している。その上で「ポリシー」の再考は必要だと述べている。

しかし──ゲイにとって──問題は、「徴兵された/OK」ときには、軍隊内で起こるゲイに対する様々な暴力・ハラスメント、そして「徴兵されない/NO」の場合に起きる「経歴差別」が予想されることだ。