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9・11以降、ゲイ兵士の除隊が減少

アメリカの軍隊では、「don't ask, don't tell」ポリシーの下、兵士は自分が同性愛者であることを公言してはならず、また兵士に対して、彼/女の性的指向を尋ねてもならない。この「ポリシー/規則」を破ると、兵士は除隊させられる。
しかし、9・11のテロ攻撃以降、「don't ask, don't tell」ポリシー違反による除隊が激減している、とワシントンポスト紙は報じている。

Fewer Gays Being Discharged Since 9/11 [Washington Post]

アメリカ国防総省の統計によると、海兵隊、空軍、海軍おいて、2004年度におけるゲイ兵士の除隊数は、「don't ask, don't tell」ポリシーが施行された1997年以降最低であった。陸軍でも、ここ5年間で最も少ない数値を記録している。

ゲイの権利団体は、この除隊数の減少は、単純に、テロとの戦いによる「兵士の確保」が原因だとしている。

また「don't ask, don't tell」ポリシーを提唱したノースウエスタン大学の軍事社会学専攻のCharles Moskos教授は、「主な原因は、ゲイたちが2001年以降、自分たちの性的指向を公言しなくなったこと、軍当局がゲイたちを軍務から放逐しなくなったことだ」とインタビューに応えた。もっとも、現状、性的指向の公言がすぐに除隊には繋がらなくなったとはいえ、それでもやはり同性愛を公言することは除隊の大きな理由になるため「慎重さが要求される」と付け加えた。

歴史的に見ると、第二次世界大戦においてもゲイの除隊数は減っていた(このときペンタゴンは、公式に、同性愛者の軍務を禁じていた)。湾岸戦争でも同様である。

現在、同性愛者のグループは「don't ask, don't tell」の破棄を要求している。また、以前このポリシーによって除隊させられた元兵士による軍務復帰を求める訴訟も起こされている。