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メディアリテラシーと『ハッカー宣言』




メディアリテラシーの練習問題;室井尚の奇妙な反・嫌煙運動プロパガンダ論 by 山形浩生

そうだな……「ポモ」の代表みたいなドゥルーズじゃな。ま、僕も「研究者」という偉そうに振舞っている──態度のすこぶる悪い──「特権階級」(あるいはリフォーム業者)には心底アタマにきているから、以下はまったく頷ける。

要するに、ハッカー階級と称する連中だって、しょせんベクトル階級とやらと同じ穴のムジナでしかないのだ。はっきりした質の差があるわけじゃない。ただの程度問題。さらに社会に対する得体の知れない思いこみときたら頭痛がするほど。「金儲けは卑しいものであるという倫理観を取り戻すことは重要である」!! この低級な「倫理」とやらが、ヨーロッパにおけるユダヤ教徒迫害につながり、ポルポト政権下でも商人弾圧・虐殺につながり、最近ではインドネシアにおける華僑迫害をもたらしたという認識は、もちろん室井にあるわけはないが、情けなや。まったく、金儲けが卑しいというんなら、室井は給料や印税返上してごらんよ。「株式市場で利益を生み出している人たちは「何も生産しておらず」単に、「博打打ちの親玉」(by 西垣通)、「剽窃者」にすぎない」!! 株式市場の仕組みもろくにご存じないのだねえ。さらに自分が資本主義の余剰にたかって生かしてもらっている滑稽の一種でしかないという自覚もないのだねえ。たぶんこの「ハッカー宣言」は、何一つ生産せずにご託をたれているだけの学者に「あんたも生産者だ!」と言ってあげて、自分は社会的に無意味な存在じゃないかという口舌の徒にありがちなコンプレックスを慰撫して人気を得ようとしたんじゃないかと思う。そしてそれにまんまとはまった人もいるわけだ。

『ハッカー宣言』の誤解説 by 白田秀彰

ハッカーは、こうしたベクトルの統制を嫌い、統制から逃れようとする。ハッカーの利益は、統制から逃れた自由な抽象化による価値の抽出に依存しているから、統制を利益の抽出原理としているベクトルとは、根源的には対立せざるえない。こうして、ハッカーは、ベクトルから反社会的存在、犯罪的存在と名指しされることになるだろう。これは、ベクトルによって定義された「現在ここにある世界」の価値観から見た場合の呼び名だ


ハッカー/ベクトルの二項対立は、恣意的な「名づけ(の暴力)」に他ならない。脱構築すべき……かな。