- アーティスト: Thomas Bloch,Bohuslav Martinu
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2004/09/21
- メディア: CD
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オンド・マルトノと言えば、オリヴィエ・メシアン。異教的愛の賛歌ともいうべき『トゥーランガリラ交響曲』や、カトリック神秘主義を彷彿させる『神の現存の三つの小典礼』『アッシジの聖フランチェスコ』など、もともと妖しげな(テーマの)音楽に、オンドマルトノのヒューンと火の玉が飛び交うような音が貫き、音楽はますます妖しい響きを醸し出す。不思議な音色と独特の表現力が強烈な印象を残す。
というわけで、まずはオンド・マルトノの名刺代わりというべきメシアンの『未刊のページ第4』。一聴して、ああメシアンだ、と思わせる官能的な音楽。美しい。
それと演奏者トマ・ブロシュの作品がいくつかあって、オンド・マルトノの「超絶技巧」を披露してくれる。
L・クーパーの『悪夢』はボーカルの入ったドラマ仕立て。これも面白い。
マルティヌー作曲の『幻想曲』は、「クラシックな響き」にオンド・マルトノの電子音が加わって、その違和感がなんとも。そういえばこのCDでは、メシアンとマルティヌー以外はすべて初めて目(耳)にする作曲家の作品ばかりだ。
他にも、かなりアヴァンギャルドなロリン『スペース・フォレスト・バウンド』や瞑想的なレドルフィの作品など、この「時代掛かった」初期電子楽器オンド・マルトノの魅力を十分に堪能させてくれる。