HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

死の海を泳いで スーザン・ソンタグ最後の日々



デイヴィッド・リーフ著『死の海を泳いで スーザン・ソンタグ最後の日々』が上岡伸雄 訳で3月下旬に岩波書店から出るようだ。悪漢と密偵さんより。

著者のデイヴィッド・リーフ(David Rieff、b.1952-)は、アメリカのシンクタンク World Policy Institute (WPI) のシニア・フェローで、政治・政策に関する提言を行っている。また国際人権NGOHuman Rights Watch」の委員でもある。そして、彼は、故スーザン・ソンタグSusan Sontag、1933 - 2004)の息子であった。
On Mortality and Modern Medicine - David Rieff


『死の海を泳いで』(Swimming in a Sea of Death)は、癌に冒された母親に向き合った息子の記録──A Son's Memoir。

ソンタグにとって人生で3度目となる癌との闘いは,骨髄異形成症候群(MDS,急性骨髄性白血病に至る病い)という特に悪質な血液の癌における致死率=確率への挑戦でもありました.それまでの2回,見込み薄の賭けに勝ってきた彼女を支えてきたのは,自分だけは「確率の例外」になるという自信だったからです.しかし病状は刻々と悪化し,今度ばかりは「例外」になることはなかったのです.


最後まで前向きに生を求めた母に,どう対処すればよかったのか? 自分は母の求めた役割を演じきれなかったのではないか? こうした答えの出ようのない問いを,著者は発し続けます.「彼女の代わりに自分が死ねればよかったと思うことがある」.自分は母と一緒に「死の海」を泳いだ,そして今でも泳ぎ続けているのだ,と真情を記す息子.




『死の海を泳いで スーザン・ソンタグ最後の日々』 編集者からのメッセージ


Without Metaphor [New York Times]

What is shocking about the memoir is how ordinary Sontag seems. The reactions of this strong, singular woman to her illness, as Rieff reports them, are oddly generic. In a car returning from receiving the terrible diagnosis, he writes, she looks out the window, and “‘Wow’ she said, ‘Wow.’” It tells us something important, surely, that one of the most articulate women of the last century should say, in the face of her cancer, “Wow.”

Swimming In A Sea Of Death: A Son's Memoir

Swimming In A Sea Of Death: A Son's Memoir




[関連エントリー]