HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

シベリウスとグリーグ



2007年はジャン・シベリウス(Jean Sibelius、1865 - 1957)が没後50周年、エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg、1843 - 1907)が没後100年という記念年であった。が、そのことについてのエントリーがなかったことに気がついた。
僕は「ドイツの音楽は世界一ィイイイ!!」というドイツ音楽至上主義者なのだが、この北欧の二人の作曲家の作品は好きだし、「音楽系ブログ」としてアニヴァーサリーの音楽家について全然触れていないのもなんなので、滑り込みで書いておきたい。


シベリウスの作品で一番好きなのは、やはりヴァイオリン協奏曲だな。名盤がひしめきあっているけれど、レオニダス・カヴァコス(Leonidas Kavakos、1967年生まれ)のヴァイオリン、 オスモ・ヴァンスカ指揮&ラハティ交響楽団の演奏を挙げておきたい。

Violin Concerto

Violin Concerto

これはなんと言っても同曲の初稿版と現行版がカップリングされているのが目玉。現行版と比べると、初稿版はたしかにまとまりが悪く緊張感に欠けるところもあるのだが、しかし第一楽章のカデンツァが意外に魅力的だったりして「おっ」と思うところがいくつもある。そういう意味では「耳を試されている」ようで、実は緊張感溢れる演奏だったりするのかもしれない。カヴァコスの美音──彼の楽器はストラディヴァリウス「Falmouth」であるようだ──も聴きどころだ。



交響曲は第1番と2番、そして7番が好きだ。ユッカ=ペッカ・サラステ/Jukka-Pekka Saraste (そういえば最近は彼の名前をあまり聴かないな)とフィンランド放送交響楽団の全集盤をよく聴いている。

Sibelius;Symphonies 1

Sibelius;Symphonies 1





グリーグはまずは有名なピアノ協奏曲。オリ・ムストネン(Olli Mustonen)による独特の──挑発的とでも言いたい──ピアニズムで。バックはヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団

Grieg/Chopin: Piano Concertos

Grieg/Chopin: Piano Concertos


それと個人的にとても好きなのが弦楽四重奏曲。闘争的なドラマが繰り広げられ、非常に聴き応えがある──この曲を聴くと闘志が沸いてくる、そんな音楽だ。エマーソン弦楽四重奏団の演奏。


ティーヴン・イッサーリス/Steven Isserlis とスティーヴン・ハフ/Stephen Hough によるチェロ・ソナタも魅力的だ。この曲も激情的だな──演奏によるのだろうけど。

Forgotten Romance

Forgotten Romance



ピアノソナタも意外にいい──ちょっとシューマン風の楽曲だ。ペーテル・ヤブロンスキー/Peter Jablonski のピアノで。

グリーグ・リサイタル

グリーグ・リサイタル



結局、「北欧のショパン」的な音楽よりも「ノルウェーシューマン」とでも形容したい情熱的なグリーグ作品・演奏が好きなのだ。