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映画プロデューサー、イスマイル・マーチャント死去




「眺めのいい部屋」のマーチャントさん、68歳で死去 [CNN.co.jp]

ロンドン――映画「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」「日の名残り」など、戦前の英国社会を題材にした作品を多く発表した映画プロデューサー、イスマイル・マーチャントさんが25日、ロンドンの病院で亡くなった。68歳だった。マーチャントさんは44年間にわたり、ジェイムズ・アイボリー監督と組んで約40作品を作り続けた。

上記三作は、E.M.フォスター、カズオ・イシグロの原作ともども印象に残っている。あとヘンリー・ジェイムズ原作の『金色の嘘』(原題『金色の盃』)もよかった。
ま、どこかの映画評論家は、ジェイムズ・アイボリー監督のことを「おのぼりさん」と書いていたが。でも、古典文学(カズオ・イシグロは違うが)の「メロドラマ化」なんだから、「おのぼりさん」感覚ぐらいの方が、「ただの映画」として楽しめるのではないだろうか。へたに作品に「批判精神」を込めたりすると、すぐさま、ラカン精神分析フェミニズム、カル・スタ批評の<餌食>になってしまうし……。

ところで、この CNN のニュースでは、

1936年12月にインド・ムンバイで生まれたマーチャントさんは、58年にニューヨーク大学に留学。61年に市内のコーヒーショップでまだ無名のアイボリー監督と出会う。2人はドイツ出身の作家ルース・プラワー・ジャブヴァーラさんの小説をもとに、共同製作第1作となる「The Householder」を発表。プラワー・ジャブヴァーラさんは以来、ほとんどのマーチャント・アイボリー作品で脚本を担当した。

マーチャントさんとアイボリー監督との44年にわたるパートナーシップは、映画製作コンビとして史上最長のものとギネスブックに登録された。

と、書かれているが、なんか歯がゆい。それにアイボリー&マーチャントの最も有名な(だと思う)映画作品に言及していない。
それは──『モーリス』。

というわけで、Gay.com では「ゲイの映画プロデューサー」イスマイル・マーチャントの追悼記事が載っている。

Filmmaker Ismail Merchant dies at 68 [Gay.com]

"Some people meet and part ways," Merchant said in a People Weekly interview about living with Ivory. "Others bond together on a lifelong stream. I guess you could call our relationship 'destiny.'"


Their 1987 film adaptation of E.M. Forster's novel "Maurice" won them many gay fans for its sensitive depiction of men in love with each other.

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