HODGE'S PARROT

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2007-02-04から1日間の記事一覧

ビーチャムのフランク サイクリック・フォームあるいは家族的類似

サー・トーマス・ビーチャム指揮フランス国立放送管弦楽団による、セザール・フランクの交響曲ニ短調を聴いた。カップリング曲は、エドゥアール・ラロの──あまり演奏・録音に恵まれないが、ドイツ・ロマン派風の重厚でなかなか聴き応えのある──交響曲ト短調…

アマチュアの理想とゼネラリスト教育

そういえば、サー・トーマス・ビーチャムの指揮は「アマチュア」だと指摘されることがある。無論、これは「正しい」のだが、しかしそこで指摘される価値は、ときとして微妙なものになる。というのも、歴史的には、以下のような価値観も流通していたからだ。 …

シンプリシティ・イズ・パワー

日経ビジネス人文庫から、ビル・ジェンセンの『シンプリシティ』を。シンプリシティ (日経ビジネス人文庫)作者: ビルジェンセン出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2000/11/07メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 著者のビ…

ハウス・オブ・スノッブ、マス・インテリの台頭

セザール・フランクの交響曲ニ短調は1889年に初演された。で、フランクの音楽を良く──本当に──「理解」するために、1889年という時期、ヨーロッパはどんな状況だったのだろう、といろいろ本を当たってみた。その一冊が、水谷三公『王室・貴族・大衆―ロイド・…

フィリップ・ラクー=ラバルト死去

『政治という虚構』や『経験としての詩』などで知られる、フランスの哲学者フィリップ・ラクー=ラバルト(Philippe Lacoue-Labarthe)が2007年1月27日、亡くなった。67歳だった。Lacoue-Labarthe, la mort platonique [Libération] Philippe Lacoue-Labarth…