HODGE'S PARROT

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『タブー』 Taboo/2002/アメリカ 監督マックス・マコウスキー

インデペント系の映画情報サイトindieWIREに、監督マックス・マコウスキー のインタビューが載っているように、この映画も、見るからに予算が掛っていないインデペンデント系。そういったことも考慮に入れると、出来の良い作品かどうかは一様に判断し難いが、ただストーリー展開に意表を付かれたので、ちょっとだけ書いておきたい。

ストーリーは6人の若者が、セックスにまつわる「6つのタブー」を今後「犯す」ことを YES か NO で応えるゲームを行う。金でセックスをするか、近親者とセックスをするか、同性とするか、3Pをするか、未成年とするか、恋人の親友とするか……。
一年後、彼らは再開する。しかし彼ら6人は、その「タブー」を犯したことを理由に一人、また一人と殺されていく。死体には、彼らが犯した「タブー」が明記されている。外は嵐。彼らは郊外にあるその惨劇の家に閉じ込められ逃げることができない。

……というアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』と映画『セブン』を合わせた感じの作品。なのだが、着地は「なんでこうなるの?」という破天荒というか、予想外というか、要するに納得の行かない「変な」終わり方なのだ。サスペンスは緩慢、むろん、ホラー映画的な怖さなんてのは全然感じられなかった(逆に笑わせられた)。けれどもこのテイストって、日本の新本格推理小説に近いものがあって、僕個人としてはまんざらでもなかった。

それと「同性愛」が「タブー」として掲げられているのに最初はムカっときたが、そのゲイの青年役にハンサムなデレク・ハミルトンが起用され、役柄も共和党議員の息子でクローゼットせざるを得ない状況を自然に描いていたので許せる。そして重要なのは、他の連中が同性愛を言うとき「ゲイ」もしくは「ホモセクシュアル」という「言葉」を使い、デレク演じるベンジャミンだけが──自嘲気味に──「ホモ(homo)」という「蔑称」を使っていたこと。そこのところを強調しておきたい。