inmymemory さんの「短編小説(掌篇)神髄168選(私家版)」に触発されて、「印象に残った」短編小説のリストを組んでみたくなった。ただ、一度にリストアップすると、あれを忘れたこれも入れたかった……となってしまうので何回かに分けて書いていきたい。100はいくかなー。短編だから読み返してみて感想も書くかもしれない(さっきフラナリー・オコーナーを読み返して「うわぁ、すげえ」と思った)。
それと……本(小説)を読むのはもちろん好きなのだが、それに劣らず、「本についての本」を読むのも凄く好きで、かつて角川文庫から出ていた『読書の快楽』や雑誌『ブルータス』特集「20世紀読書計画」、『グルーヴィブックリビー2001』あたりのガイドブックを片手に本の猟書をしたのも思い出した。まあ、要するに、本について語ることはとても愉しい、ということだ。
今回は以下の15編を選んでみた(検索しやすいように、その作品が収録されている書名と出版社を記した──ヘンリー・ジェイムズの『ある婦人の肖像』やトーマス・マンの『魔の山』はすぐには読めないかもしれないけど、短編なら読めるよね)。
- チャールズ・バクスター「世界のハーモニー」(早川書房『世界のハーモニー』所収)
- クライヴ・バーカー「丘に、町が」(集英社文庫『ミッドナイト・ミートトレイン』)
- ダフネ・デュ・モーリア「モンテ・ヴェリタ」(創元推理文庫『鳥 デュ・モーリア傑作集』)
- スコット・フィッツジェラルド「残り火」(中央公論社『マイ・ロスト・シティ フィッツジェラルド作品集』)
- フラナリー・オコナー「高く昇って一点へ」(新潮文庫『オコナー短編集』)
- ジャン=ポール・サルトル「壁」(新潮社『サルトル 新潮世界文学47』)
- ジョゼフ・コンラッド「無政府主義者」(博文社『青春・無政府主義者』、岩波文庫『コンラッド短篇集』)
- アドルフォ・ビオイ=カサーレス「パウリーナの思い出に」(白水社『ダブル・ダブル』)
- ジャック・フィニイ「愛の手紙」(ハヤカワ文庫『ゲイルズバーグの春を愛す』)
わりと有名なものばかりだけれども、特にチャールズ・バクスター「世界のハーモニー」は作曲家ヒンデミットのエピソードを巧みに織り込んだ「慰めに満ちた」佳品だ。機会があったらぜひ読んでほしいと思う。