HODGE'S PARROT

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アレグロ・バルバロ



バルトークの、多分最も有名なピアノ曲であろう《アレグロ・バルバロ》(Allegro barbaro Sz. 49, BB 63)の映像が YouTube にあった。タイトルの通り、「野蛮さ」を徹底的に表現した優れた演奏だと思う。たった三分でバルトークの「本質」がわかる。

Allegro Barbaro by Bartok


ワグナーとヴェルディを対比するだけの単純な図式にとどまらないためにも、ベルリオーズ管弦楽編成が一方の極からもう一方の極へと天才的な移行をしたのはどうしてか、また音楽は〈自然〉〈民衆〉かという点でためらったのはどうしてか、明らかにしなければならないだろう。


それに(ドビュッシーがどう思おうと)ムソルグスキーの音楽が群集の様相を呈することができたのはどうしてなのか。バルトークの音楽が民謡や世俗の歌謡を支えに、群生自体を音楽にし、器楽的、管弦楽的にして、それが〈可分性〉の音階や、驚異的な半音階法を新たに提起することになったのはどうしてなのか。これらすべてが非-ワグナー的な道を示している……。




ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ千のプラトー』(宇野邦一 他訳、河出書房新社) p.393