CNET Japan の「森祐治・情報経済を読み解く」に興味を惹く記述があったのでメモしておきたい。ジョージ・メイソン大学の社会政策学部教授リチャード・フロリダ/Richard Florida氏が提唱する「クリエイティブ・クラス」という概念に関するもので、「専門性の高い知識や複雑なコミュニケーションなどの技術を駆使し、非定型的な問題解決を行う職種に従事する人々をクリエイティブ・クラスと定義」、そして、そのクリエイティブ・クラスこそが「社会における価値創造の中心」なのだそうだ。
仕事の価値を高める「デザイン」と「クリエイティブ」 [CNET JAPAN]
Florida氏のクリエイティブ・クラスの概念では、業種そのものではなく職種、あるいは同じ職種であってもそこでの仕事への取り組み方で、クリエイティブか否かを判断する。故に、同じ職場にあってもクリエイティブな働き方をしている場合とそうでない場合で、クリエイティブ・クラスへの分類で差すら生じる可能性がある。
また、Florida氏はクリエイティブ・クラスの多い価値創出力は、3つのT――「テクノロジー、タレント、トレランス(寛容性)」を揃えることで高まるという。テクノロジーとタレント(人材)はともかく、寛容性はあまりイメージしにくいかもしれない。ここでは「多様性」を受け入れることを寛容性と呼んでいるようだ。女性や同性愛者、マイノリティなどを受け入れる組織や都市が、よりクリエイティブ・クラスによる価値創造力に富むことになる。
- 作者: リチャード・フロリダ,井口典夫
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/04/06
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それで、Richard Florida さんのウェブサイト「Creative Class.org」に行って、何気なく読んでいて、彼が言及しているリンク先「City of Toledo」を読んでみたら……ほんとうに「3つのT」(The 3 Ts)を実践し、ゲイ・フレンドリーを目指している都市に関する記事があった。
Bleak dating scene for educated singles imperils Toledo's future [toledoblade.com]
In The Rise of the Creative Class, Mr. Florida noted how creative-class workers seek to live in and move to cities with an underlying culture of tolerance and open-mindedness toward new ideas and diversity. These cities also tend to have significant communities of artists, musicians, and gay people.
To prosper in the new knowledge-driven economy, Mr. Florida argues that cities must master the “3 Ts” of economic development: technology, talent, and tolerance.
リチャード・フロリダ教授の本を早速読んでみよう!
The Rise Of The Creative Class: And How It's Transforming Work, Leisure, Community And Everyday Life
- 作者: Richard Florida
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2002/06/01
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