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フランス24……フランスの価値観、フランスの視点で NEVER AGAIN




「フランス版CNN」とも言える24時間放映の国際情報テレビ「フランス24」が開局した。国営放送のフランス・テレビジョンと民放最大手TF1の折半出資で設立、仏語と英語で放送するほか、アラブ語スペイン語での放送も予定しているそうだ。所属するジャーナリストは約170人、国籍は28ヶ国に及ぶ。


[FRANCE 24]

米英とは違う視点、「フランス24」が開局 [朝日新聞]

米英メディアとは異なる視点による国際報道を目指して、仏政府が推進するニュース専門テレビ局「フランス24」が6日に開局し、英語とフランス語での同時放送を始めた。


フランス:米英と異なる視点で世界のニュース放映 「フランス24」開局 [MSN/毎日新聞]

年間予算は8600万ユーロ(約130億7200万円)。CNNの9億ユーロ(約1368億円)、BBCの6億ユーロ(約912億円)に及ばないが、AFP通信やラジオ・フランス特派員の支援も得るとしている。


France launches world TV channel [BBC NEWS]

France's first international news channel has been launched into competition with BBC World and CNN.


France 24 was unveiled on the internet on Wednesday evening, and will launch on satellite and cable TV 24 hours later.


The channel has the backing of French President Jacques Chirac, who despaired at the lack of an outlet for French views in the run up to war in Iraq.


But some critics have complained it has insufficient funding to compete.


The network has a budget of 86m euros (£58m) a year.


仏版CNN誕生…英米に対抗、90か国2億人視聴者に [読売新聞]

仏版CNNの設立は、シラク大統領が2002年の再選後から推進してきた計画。パリ市内で6日夜に開かれた記念式典で、同大統領は「仏は世界情勢に関して独自の価値観を世界に伝えなくてはならない」と語り、米CNNや英BBC、中東のアル・ジャジーラに対抗、国際情報戦で最前線に立つ仏独自の国際テレビ局設立の必要性を強調した。


ニュース専門テレビ始動 シラク氏悲願、フランス24 [USFL]

CNNやBBCが世界に浸透する中、フランスにも同様のテレビ局を設立して価値観を伝えていくことがシラク大統領の悲願だった。特にイラク戦争にフランスが反対した際の経験を通じてその思いを強くしたとされる。


CNNに対抗!フランス国営版英語TVニュース誕生! [Livedoor ニュース]

France24はフランスの価値観を広めようとしている。つまり、世界で今まであまり関心をもたなかったことに焦点をあて、あらゆることを常に議論し、そして、「文化的な進展」を強調しようとするものだ。フランス語だけで放送する計画を取りやめ、英語を主とする第二のチャンネルを提供することとなったが、この思慮に富んだ妥協により幾人かの大臣はショックを受けた。来年、この英語放送チャンネルにはアラブ語のプログラムが追加される予定だ。記者が「テロリスト」と言うべきときに「殉教者」と言わないようアラビア語のサービスを監督することをフレンチウーマンと名づけられた。


 CNNのバイアスが何であれ、私営企業として、CNNは政府から完全な独立を要求することが出来る。他方、AJE(アルジャジーラの英語放送)はカタールの王族の所有だ。France24は私営企業のTF1と国営のフランス・テレビジョンの合弁事業で、政府から年間8000万ユーロの資金提供を受けることになっている。この資金は最低5年間は保証されている。しかし、政治問題から距離を置くため視聴者から直接料金を収受するBBCと違い、France24の独立を保証する唯一のものは政府高官が指示した際、経営者が喜んでノーといえるかにかかっている。


 もし高圧的な政府の影響があれば、視聴者はそれに気づき、スイッチを切ってしまう。ロシア政府の英語ニュース・チャンネルRussia Todayは昨年12月に放送を開始して以来、殆ど影響を与えるメディアとはなっていない。西側が放送電波を独占していることを打ち破るため、シンガポール政府が所有する会社が1999年に始めたChannel NewsAsiaもこの例に漏れない。


「フランス版CNN」開局・記念式に大統領ら [NIKKEI NET]

コンコルド広場近くの公園で、フランスの企業幹部や有識者ら約2000人を招いて記念式を開催。シラク大統領、ドビルパン首相、ドストブラジ外相も駆け付け、政府の力の入れようを見せつけた。


米英とは違う視点、「フランス24」が開局 [朝日新聞]

「フランス24」は国営テレビと民放が共同出資する半官半民。政府が開局の音頭を取ってきただけに、報道の中立がどこまで保たれるかを疑問視する見方もある。


フランスの価値観をアピールするために、CNN的/英米的手法でもって、対抗するフランスか……。そうえいば上野千鶴子がこんなことを書いていたのを思い出した。

知識人であることが批判的であることを意味するとしたら、「その批判はまっさきに自己批判でなければならない」という加藤周一さんのことばを私は思い出しました。その意味で西欧=近代に対してもっとも自己批判的であった知識人は、亡くなったミシェル・フーコーでした。


フーコーが来日した時、あるインタヴュアーが、政治的にも思想的にも母国フランスを痛烈に批判するフーコーを、フランス政府が自国の文化使節としてよく送り出しましたね、とたずねたのに対するフーコーの答えが秀逸でした。
「フランスという国は、それが自国産のものであれば、たとえ毒でも輸出するのです」。


あっぱれ、フランス文化帝国主義、と言うべきでしょう。その名も”プワゾン(毒)”というフランスの香水に、日本の女の子たちはうつつを抜かしていましたっけ。自文化をもっとも痛罵する人物を、自文化が産んだ最良の知性として諸外国に売りこむ文化の策略。フランス文化帝国主義は、それくらい奥が深く、老獪だと言うべきでしょう。




上野千鶴子「NEVER AGAIN ”NEXT TIME”」(青土社現代思想』1988年11月号 vol.16-13)


今となっては懐かしい「視点」だ。