HODGE'S PARROT

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「見張りが朝を待つにもまして」

フィリップ・ヘレヴェッヘ*1指揮コレギウム・ヴォカーレ*2演奏による、バッハのカンタータ&ミサ曲集を、少しずつ聴いている。で、少しずつ取り上げたい……日曜日には特に。

Cantatas & Masses

Cantatas & Masses

  • カンタータ「深き淵の底から、主よ、あなたを呼びます」(Aus Der Tiefen Rufe Ich, Herr, Zu Dir)BWV 131


偶数の第2曲、4曲にそれぞれバスとテノールの抒情的なアリアを入れ、奇数の第1、3、5曲はコラールによる多声音楽(フーガ)で重層的な響きを堪能できる。さすがバッハの音楽だ。とても聴き応えがある。歌詞は詩編130とBartholomäus Ringwaldtの賛美歌「Herr Jesu Christ, du höchstes Gut」に拠っている*3
特に素晴らしいのが第4曲、テノールのアリア。通奏低音の、ときにギターの爪弾きのような音響に支えられ、テノールが朗々と歌う──男声合唱と対位法的に交わりながら。しかもその詩篇のテクストも印象的なものだ。

わたしの魂は主を待ち望みます
見張りが朝を待つにもまして
見張りが朝を待つにもまして



詩篇130.6 (新共同訳『聖書』より)

これが英語だと次のようになる。

My soul waits for the Lord
more than watchmen wait for the morning
more than watchmen wait for the morning.



Psalm 130. 6 (ZONDERVAN "HOLY BIBLE" より)

というわけで「見張り」は「watchmen」で複数のようだ。だから男声合唱による「絡み」は、とても効果的に聴こえる。




[Bach Cantatas Website]


[Collegium Vocale Ghent]

*1:Philippe Herreweghe

*2:Collegium Vocale Ghent

*3:Bartholomäus Ringwaldt はルーテル教会(Evangelisch-Lutherische Kirchen、英Lutheranism)の人