HODGE'S PARROT

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1971年生まれの芸術監督

ショスタコーヴィチ特集の『レコード芸術』(2005年8月号)を読んでいたら、長木誠司氏のCD評に、ああそうだな、と思うことが書いてあった。イギリスの作曲家&ピアニストのトーマス・アデス(Thomas Adès)についてである。

アデスは1971年生まれ。なのだが、すでにキャリアは十分に積んでいる。作曲、演奏、ともにEMIからCDがリリースされ、それらは高い評価を得ているし、28歳にしてオールドバラの芸術監督に就任、コヴェント・ガーデンからもオペラの委嘱を受けた。

そこで長木氏は、このように「若い才能」の受け皿としてポストを与える英国と、そうではない日本とを比べる。

オペラの委嘱が、すでに疲弊した大家にしかされなかったり、年長者しか芸術監督に受け入れない日本の風土とは、もとより活力が違う。

もちろん、文化を支える体制や文化予算が属人部分を含めて違うし、文化マーケットの蓄積や水準自体も異なるのだが、アデスのような才能を評価し活動を支えるイギリスのシステムは考慮に値する。


[トーマス・アデス関連]


Arditti Quartet / Belcea Quartet

Arditti Quartet / Belcea Quartet

アデス作品集:リヴィング・トイ

アデス作品集:リヴィング・トイ