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チョムスキー入門

「言語にとって歴史研究は意味がない」 by ノーム・チョムスキー

チョムスキー入門

チョムスキー入門

イラストと写真で生成された「Introducing Chomsky」。言語学者としての、そして社会評論家としての「二人のチョムスキー」の理念(ideal)を紹介する。
もっとも、生成文法言語学には深入りするつもりはないので、参考にしたいのは社会批評家としての「ノーム・チョムスキー氏」のほう。

チョムスキーは指摘する。アメリカには「政治委員」と呼ばれる「国家権力とその行使に忠誠を誓い社会管理に参加する知識人たち」が存在し、彼ら(メディア、学者、文官)は自らの権力と思想統制を維持しようとする。

政治委員たちの策略は、チョムスキーのような「専門外=素人」の政治分析の<能力>を攻撃することにある。
例えば政治委員たちは、

「お話はごもっともですが、たしかあなたは、言語学者であって、訓練を受けた政治経済学者ではありませんよね」

と、「専門ゲーム」を仕掛け、チョムスキーらの「語る権利」を奪おうとする。これに対しチョムスキーは以下のようにやり返す。

これはとても面白い言いがかりだね。正義と真実について語るためには、カーストの中で聖職者に任命されなければならないとでもいうかね。テストに合格すれば、社会批評家になれるというわけだね。

チョムスキー自由至上主義思想の伝統を受け継いでいる──例えば、フンボルトジョン・デューイ。また、自由至上主義的価値観は、ルソーらの啓蒙思想家たちの精神とも通低する。
そしてチョムスキーが最も強い影響を受けていると思われるのが、哲学者で、且つ、自由主義活動家でもあったバートランド・ラッセルチョムスキーは、ラッセルの言葉を自分の研究室に掲げているそうだ。