映画『アナザー・カントリー』でも重要な役割を果たすケンブリッジ大学の秘密会である「使徒会」については、リチャード・ディーコン著『ケンブリッジのエリートたち』(ISBN:4794959214)が詳しい。KGBのスパイだったガイ・バージェスやアントニー・ブラント、ケインズ、E・M・フォスター、リットン・ストレイチーなどが、使徒会および同性愛と絡められて詳説されている。
ただ、ディーコンは、訳者も書いているように、多分に「ナショナリスティック」な人らしく、この本でも同性愛やブルームズベリーグループについて、かなり攻撃的というか悪意や差別がところどころ感じられる。そういったバイアスがあることは強調しておきたい。
英国王立美術鑑定官の立場でありながらソ連のスパイだったアントニー(アンソニー)・ブラントについては、『ウィリアム・ブレイクの芸術』が邦訳されている(もう一冊『ピカソ<ゲルニカ>の誕生』があるが、これは未読)。
- 作者: アンソニー・ブラント,岡崎康一
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1982/01/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (2件) を見る