HODGE'S PARROT

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スクリャービン Op.8-12 異稿版

ミヒャエル・ポンティ(Michael Ponti)演奏によるスクリャービンのピアノ作品全集を手に入れた。これでソナタ全曲とあわせ、一人のピアニストによるスクリャービンのピアノ独奏曲が揃った。

SCRIABIN:Complete Piano Works (non Sonatas)

SCRIABIN:Complete Piano Works (non Sonatas)

Complete Piano Sonatas of Scriabin

Complete Piano Sonatas of Scriabin


明快なタッチだなー、とポンティの演奏を聴きながら、スクリャービンの世界に酔っていた。エチュードOp.8-12 は、以前、発表会で弾いたよなー……重低音の左手に、オクターブで高音を響かせる。fff(フォルテ三つ)があって、ピアノを鳴らしきる「オレ様」系の音楽。↓は僕の楽譜(師匠の書き込みアリ)。


そしたら、ハリセンで叩かれたようなショック。CDプレイヤーが壊れたのかと思った。最初、「通常の」Op.8-12 が弾かれ、あの重厚な和音で終了。ところが次に、もう一度、Op.8-12 の最初の音が出てきた……あまりに音楽に陶酔していて、「オレ様」が無意識にリピート(反復)したのかもしれない。しかし、「通常の」の聴きなれた/弾きなれたようには進行しない。
そう、これって、Op.8-12 の異稿版演奏だった。両者の差異を聴き比べると面白い。どちらが「正しい」、というわけではなく、どちらも捨て難く魅力がある。もちろん、どちらも雰囲気は似ていて、「オレ様」系だけど。