HODGE'S PARROT

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高校生のためのフーコー入門

excite Books で連載している「日刊! ニュースな本棚」の「芹沢一也インタビュー」を興味深く読んだ(たしかにイケメンだ、笑)。

内容はとてもシリアスなものだ。

じつは意外に知られていないんですよ。かなりの識者であっても、日本が世界最多の精神障害者の入院患者をもつ国であることを知らなかったりします。人によっては、アウシュビッツ旧ソ連強制収容所と日本の精神病院を三大収容施設というほどなのに。

ここで芹沢氏はフーコーの「言説分析」の方法を簡明に記してくれる。

芹沢 言説分析は、その言葉に文脈を与えて意味づけをしていくわけですけど、そのときに言葉を発した人間の意図や、言葉が記述している対象なんかはカッコに括るわけです。

――あえて無視するんですね。

芹沢 そうです。というのも、言説分析は、言葉と言葉がつくりだす関係性を探っていかなきゃいけないんですね。言葉をパズルのピースみたいに捉えて、言葉がおさまる絵柄を見出そうとする。

芹沢氏の著書『狂気と犯罪』は、そういったフーコーの言説分析に依拠し、精神医学の権力を探ったもの。しかしそれは、決して難解なものではなく、何の前提的な知識のない人が読んでも、自然とフーコー的なものの見方が会得できる「高校生のためのフーコー入門」としての狙いがあるという。

狂気と犯罪 (講談社+α新書)

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