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フォークナーの書簡、1万8000ドルで落札

オークションハウス、ボナムズ・アンド・バターフィールズ(Bonhams & Butterfields.)は、1949年にノーベル文学賞を受賞したウィリアム・フォークナー(William Faulkner)の書簡が競売にかけられ、約1万8000ドル(約210万円)で落札されたことを、2月19日、明らかにした。
ウィリアム・フォークナーの書簡が競売に、約210万円で落札 [ロイター]

2ページから成るこの手紙は、1943年8月に自身のエージェント宛てに書かれたもので、前のエージェントに騙されて脚本家としてハリウッドの映画スタジオ、ワーナー・ブラザーズと7年契約させられ、そのエージェントからは現在訴えると脅迫されている、と書かれている。


 フォークナーは、ハワード・ホークス監督の「三つ数えろ」や「脱出」などで脚本を手掛けた。

また同日のオークションでは、F・スコット・フィッツジェラルドの書簡も出品されたが、フォークナーと比べると大幅に下回る金額で落札されたということだ。フィッツジェラルドよりもフォークナーのほうが人気がある──「価値」がある?──ということなのだろうか。


William Faulkner letter auctioned for $18,000 [Washington Post]

The letter was originally estimated to sell for up to $3,500, according to Bonhams & Butterfields representatives. The final selling price was $17,925.

Also auctioned off on Sunday were several letters by F. Scott Fitzgerald, including one hand-written note in which he apologizes to his agent for his behavior while drunk. The Fitzgerald letters fetched nowhere near the price of the Faulkner letter.

The auction house declined to identify the letters' buyers, citing its privacy policies.


出品されたフィッツジェラルドの書簡には、作家の酔っ払った振舞いに対するエージェント宛の謝罪の手書きメモも含まれているという。そのとき、フィッツジェラルドに何が起きたのか?

何が起きたのか?──「もちろん、人生全部が一つの崩壊の過程である」と断じてから、晩年のフィッツジェラルドが思案しつづけた問いがこれである。だが、この「もちろん」を、どのように理解したらいいだろう。まずいえるのは、人生は次第に硬さを増し、ひからびていく切片性に取り込まれるということだ。作家としてのフィッツジェラルドには、旅による衰弱が確実に存在し、そこにはっきり分割された切片が生まれる。そして切片から切片へとたどるうちに、経済危機、富の消失、疲労と老化、アルコール中毒、夫婦生活の破綻、映画の勃興、ファシズムスターリニズムの到来、名声と才能の喪失など、いかにも消耗な事態が続く。だが、ここでこそ、フィッツジェラルドはその天分を見出すのである。
外からやってくる、あるいは外からやってくるように見える不意の大打撃




ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ千のプラトー』(宇野邦一 他訳、河出書房新社)p.227

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