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ドイツ警察、「ゲイのデータベース化」発覚

ドイツの三つの州で、ゲイの人々に関するデータベースが密かに作成されていたことが発覚した。

German Police Keep Secret Database On Gays [365Gay.com]

シュピーゲル』誌は、何らかの形──容疑者、被害者、目撃者など──で「法システム」に関わった同性愛者の「情報」が、三つの州の警察で秘密裡に収集、データベース化されている、と報じた。
その三つの州とは、バイエルン、チュリージア、ノルトライン・ウェエストファーレン。バイエルンとチュリージアは保守政党が「統治」、ノルトライン・ウェエストファーレンはSPD緑の党中道左派連立政権が「統治」している──つまり、ここには、右派、左派といった「区別」はない。
さらにこのファイル=データベースには、サブカテゴリー──所属グループから性的な好みまで──が用意され、警察はこれらの情報にもアクセスできる。

ゲイの団体は、このデータベースの存在は越権行為であるとして、厳しく非難。さらに、こういった性的指向に関する「データベース化」が、ナチス時代の「同性愛者リスト」(pink lists)を彷彿とさせるとして、さらなる、深刻な「問題」を指摘している。

ナチスドイツは、「ピンク・リスト」に基づき、同性愛者を検挙、絶滅収容者に送り込んだ。ある者は人体実験の犠牲に、ある者は強制労働の犠牲に、そしてある者はガス室で虐殺された。

SFの助けを借りなくても、保護区内の動物(エレクトロニクスの首輪をつけられた)企業内の人間など、開かれた環境における成員の位置を各瞬間ごとに知らせる管理機構を思い描くことができる。フェリックス・ガタリが空想していたのは、決められた障壁を解除する(分割可能な)エレクトロニクスのカードによって、各人が自分のマンションを離れ、自分の住んでいる街区を離れることができるような町である。しかし決まった日や決まった時間帯には、同じカードが拒絶されることもあるというのだ。ここで重要なのは、障壁ではなく、適法の者だろうと不法の者だろうと、とにかく各個人の位置を割りだし、普遍的な転調を行うコンピューターなのである。


ジル・ドゥルーズ「追伸──管理社会について」(河出書房新社『記号と事件』p.299)