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CEO型政治家と「思いやりのある保守主義」


ニューズウィーク日本版」(2004-12・29/2005-1・15)に、米外交評議会会長リチャード・ハースによる「CEO型政治家はもう古い」という記事が載っていた。

なるほど。改めて感じたのは、ブッシュ政権がビジネス経験者により組織されている/いた、という事実だ。
まずブッシュ大統領自身はハーバードでMBA(経営学修士号)を取得し、石油関連事業や大リーグの経営を経験している。
そしてチェイニーは石油開発のハリバートンラムズフェルドは製薬のG・D・サール・アンド・カンパニー、オニール元財務長官はアルコア(アルミニウム)、オニールの後任ジョン・ノーは貨物輸送のCSX……というふうに彼らは「企業の経営」に携わってきた。コリン・パウエルも軍隊出身だが多くの企業で役員を務めた経験がある。

ところでこの記事の趣旨は、かつては、

「政府の運営は企業をまねるべきだ」

という考えがあった。が、現在では、ビジネスの世界が変化してきている。それに政府の組織のほうがより複雑でより「ハードなマネジメント能力」を要求されるのではないか。ゆえに、企業こそが

政府から学ぶべきではないか

ということだ。
記事では、パウエルの国務省での「マネジメント」により、省内の士気が高まり、職員の定着率や新人採用が好転したという「事例」が紹介されている。さらに

企業が政府から学べることは、ほかにもある。収支決算だけではなく、そこにいたるプロセスも重要だということだ。となれば、駆け引きも重要になる。


もう一つ同じ号の「ニューズウィーク」の記事より。
エール大学経営学大学院学長ジェフリー・ガーデンによる「名誉挽回策はゲイツに学べ」。
内容は、ブッシュ政権2期目は「軌道修正のチャンス」ということで、社会政策/福祉政策において、ブッシュの唱えるネオリベラリズム型の「オーナーシップ社会」と民主党ジョン・ケリーが提案した「21世紀型セーフティネット」を組み合わせたらどうだろう、というもの。これが実現すれば、ブッシュは名実ともに「思いやりのある保守主義」を自負できるだろう、と。
さらにガーデン氏は、開発援助に関しては、「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」がアメリカのモデルケースになるだろうと主張する。
つまり、ビル・ゲイツに学べ、と。


もちろん、「私たち」も、ブッシュ政権ビル・ゲイツから学べることがあるのは言うまでもない。